長崎・白雪食品が軍艦島「厚生食堂ちゃんぽん」を元島民の寿司職人と復刻

パッケージを手にする木本太市さん

パッケージを手にする木本太市さん

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 白雪食品(長崎市岡町)は11月28日、「端島炭坑」(軍艦島)内の厚生食堂で提供されていた「ちゃんぽん」を復刻・商品化して発売する。

当時の器に盛りつけた調理例

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 商品名は「厚生食堂ちゃんぽん」。パッケージデザインや食材の開発にはNPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」(坂本道徳理事長、万屋町)理事でタイチ寿司(銅座町)店主の木本太市さん(71)が全面協力した。

 厚生食堂は木本さんの父・義輝さんが経営。幼いころ親しんだ父の味を思い出しながら、麺の食感やスープの味付けなどを監修したという。

 「もともと父は長崎で料亭の板前をしていた。昭和20年代に来店した端島炭鉱の所長に腕を見込まれ『厚生施設として食堂を作ってほしい』と頼まれた」と説明する。家族を連れて端島へ移住した義輝さんは、中央に位置する18号棟に開業した店を「厚生食堂」と命名。木本さんも島民と交流する父親の後ろ姿を見ながら、高校卒業まで端島で生活した。同店は1974(昭和49)年の閉山まで営業を続けた。

 「店休日は元日だけ。メニューは和洋中そろえていたが、一番人気は『ちゃんぽん』。対岸の高浜から野菜や魚介類を仕入れ、貴重な豚肉を手に入れるのは大変だったと思う」と木本さん。当時は電気冷蔵庫も発泡スチロールの保冷箱もない時代。船で氷を運び、苦労しながら食材を保存していたことや、豚骨スープや「かん水」(中華麺特有のコシを引き出すアルカリ塩水溶液)などにも強いこだわりがあった父親を思い出しながら「ぜひ、たくさんの人に味わってほしい」とほほ笑む。

 白雪食品の石本仁太郎社長は「かん水の風味を生かした半生タイプの麺。スープのコクと旨味にもこだわった」と力を込める。

 同社は11月28・29日、10時~17時に開催される「長崎地区商工会ベルナード観光通り物産展」(浜町)会場内で、初めて一般販売を行う。

 パッケージ内容は「ちゃんぽん麺とスープ」。価格は3人前=756円。

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