長崎県美術館で「ピクサー展」 スタジオ設立30周年記念で

© Disney/Pixar「トイ・ストーリー2」(1999年)ストーリーボード

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 長崎県美術館(長崎市出島町)で7月27日から、「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」などの人気作品を手掛けたピクサー・アニメーション・スタジオの作品展「ピクサー展」が開催される。

テープカットの様子

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 同展は2005年にニューヨーク近代美術館でスタートし、世界各国で好評を博した巡回展。今回は2016年のスタジオ設立30周年を記念した作品群を加え、約500点を展示。日本では東京と長崎だけで開催される。

 ピクサー・アニメーション・スタジオ(以下、ピクサー)は1986年、ジョン・ラセターさん、エド・キャットマルさん、故スティーブ・ジョブズさんらにより米国カリフォルニアで設立され、今年スタジオ設立30周年を迎えた。ピクサー作品は日本や米国をはじめ世界中で上映されており、数多くのファンがいる。ピクサーで展示プログラムシニアマネジャーを務めるマレン・ジョーンズさんは「ピクサー作品の魅力はコンピューターアニメーション技術だけによるものではない。独創的なストーリー、魅力的なキャラクター、その両方を融合させた世界観の3つが大切。芸術とテクノロジーの融合を体感してほしい」と話す。

 作品は最新のCG(コンピューターグラフィックス)技術により表現されているが、作品作りのために実社会の現場で実際にリサーチを行っている。例えば「レミーのおいしいレストラン」では実際に食事をするためフランスに行き、厨房(ちゅうぼう)を見学してフランス料理の講習を受けている。「カールじいさんの空飛ぶ家」では、「風船を何個付ければ家が空中に浮くのか?」という検証を建築家に依頼。構造計算を実際に行い、約2万個の風船が必要という結論を導いている。

 CGで作画する前段階でも手描きのドローイングやパステル画、デジタルペインティング、彫刻などの方法で数多く試作を行い、その中から凝縮されたものが最終的な作品となる。ピクサーには技術スタッフと同じくらい大勢のアーティストやデザイナーたちが在籍しており、1作品当たり50人以上が現在携わっているという。

 「アニメへの造詣が深く設備も整っているため、東京以外での開催地を長崎に決めた。今回のピクサー展では、それだけ数多くの『過程』に触れることで、ピクサーの創造性を存分に味わってほしい」とジョーンズさん。

 開館時間は10時~20時(入場は19時30分まで)。観覧料は一般=1,400円、高校・大学生・70歳以上=1,000円、小・中学生=500円(小学生未満は無料)。9月8日まで(8月8日は休館)。

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