長崎在住の映像作家・野上鉄晃(てっこう)さんが制作したイメージ動画「WELCOME TO NAGASAKI」が11月18日、テレビ長崎(KTN)が運営する動画サイト「モッテレ」で公開された。
野上さんは1982(昭和57)年、対馬市生まれ。長崎市内で高校卒業まで過ごした後、オーストラリアなどへ渡航。帰国後、専門学校で映像制作を学びながら、次第に映画監督を目指すようになったという。
2007年、「クローズ・ユア・マインド」(主演=加藤夏希さん)の脚本・監督を手掛け、渋谷「シネ・ラ・セット」で劇場公開。同作は全国のTSUTAYAでDVDレンタルされた。2011年に製作した「PICARO」は第33回「ぴあフィルムフェスティバル」で入選。同年冬には福岡の芸能事務所制作の映画「館橋ノンキー」で監督を務めた。そのほか、長崎のホテルや不動産会社、焼き肉店などのCM動画、ウエディング関連動画、ネット配信用の観光イメージ動画など、幅広い映像制作を手掛ける。
野上さんは「最初は映画監督を目指すつもりは全くなかったが、映像の面白さにどんどん引き込まれて今がある。これからも新しい映像表現に挑戦したい」と話す。
KTNは10月7日、動画ポータルサイト「モッテレ」をスタート。「持つテレビ」をもじったもので、モバイルでの利用を想定したコンテンツ作りを目指すという。長崎の街や人の魅力にスポットを当てた独自動画、テレビ番組情報やアナウンサーの裏話など幅広いコンテンツを「チャンネル」と呼ばれる15のカテゴリー別に配信。「WELCOME TO NAGASAKI」は1チャンネル「長崎引力」の動画として配信する。
同作は今年の夏に収録。約3分30秒の物語は、母親を亡くした少女が長崎の中学校に転校して来るところから始まる。せりふは一切無く、全編を通じてtricolorさんが歌う「夜をこえて」(作詞・作曲=長尾晃司さん)が流れる。出演者は少女役に芳野美羽さん、その父親役は諫早市で劇団事業を手掛ける渡邉享介さん、同級生の少年役に渡邉仁清(にせい)さん。仁清さんは渡邉さんが運営するプロダクションに所属する子役俳優で、実際の親子でもある。
KTN・ウェブコンテンツ開発部の尾上裕明さんは「今回、野上監督にすてきな動画を作ってもらった。今後もさまざまなコンテンツ制作に挑戦したい」と意気込む。