東北地方太平洋沖地震災害に対する義援金募金活動が3月13日、さまざまな団体によって長崎市内数カ所で行われた。
透明の募金箱で募金を呼びかける佐藤雪飛くん(右)と島崎日菜さん(左)
長崎駅前高架広場では、活水高校(長崎市宝栄町)、諫早高校、西陵高校、諫早商業高校、長崎日大高校(いずれも諫早市)の生徒会メンバーで構成する長崎生徒会連合の生徒19人が道行く人に募金を呼びかけた。
メンバーの1人で長崎日大高校2年の桑原瞳輝(ゆうき)さんは「1年生から活動には参加しているが、人々の親切ややさしさに触れることで素晴らしい体験をしていると思う。自分にできることをしっかりやりたい」と話す。また諫早高校1年の小川内美月(みづき)さんは「テレビで惨状を見ていて自分にも何かできないかと思っていたので今回初めて参加した。いろいろな人が協力してくれることに心から感動している」と目に涙を浮かべた。
現場責任者の活水高校・奥山忍教諭は「本当は以前からやっている国際ボランティア活動の募金を行う予定だったが、11日の災害を受けて生徒たちが自主的に話し合い、急きょ今回の義援金募金活動が決まった。ここ以外でも諫早市内2カ所で行っている。高校生が自主的に社会貢献を考え、活動し、大人がサポートする連携ができており、多くの市民の方が生徒たちを指導したり激励してもらったりしている。栃木からの旅行者の方からこんなに早く応援してもらってうれしいと言われ、自分たちこそ励みになる」と笑顔で話す。
大型商業施設「夢彩都(ゆめさいと)」(長崎市元船町)のエントランス前広場では、長崎海洋少年団のメンバーらが募金を行った。
「東北地方太平洋沖地震の義援金募金活動を行っています。ご協力お願いします」と大きな声で呼びかけるのは佐藤雪飛(せつひ)くん(小3)と島崎日菜さん(小5)のコンビ。大きな透明の募金箱を2人で左右から抱えて呼びかけると、たくさんの人が募金に応じ、中には1万円札を募金する人もいた。
同少年団の事務局長、井口元孝さんは「30年程前の発足以来、カッター訓練や手旗信号訓練などとともに奉仕活動などを行ってきた。突然の災害に驚き、今回は義援金募金をすることにしたが、福島や宮城、仙台、塩釜などの少年団の人たちのことがとても気になる」と声を詰まらせた。
募金活動の現場に姿を見せた夢彩都の龍野弘文支配人は、「社員の中にも被災地出身の者もおり、気丈に働いてくれる姿に頭が下がる。テナント様の中には被災地に本社があるところもあり、連絡が取れない中で頑張っている。各テナント独自で募金をされるところもあり、少しでも役に立てればと思う」と話す。
出島交流会館(長崎市出島町)ではボランティア団体の祭典「長崎県ボランティアフェスティバル」が開催され、会場内数カ所に募金箱が設置された。
同館内にある県民ボランティア活動支援センターのセンター長、綾部哲也さんは「未曽有の大災害に接し、祭りをやるか中止するか議論になった結果、こういう時だからこそボランティアの横のつながりを強化するためにもあえて開催しようということになった。当初は予定になかった災害ボランティア活動パネル展示や、リアルタイムの災害報道を流しながら募金箱を設置してみた。楽しいだけのイベントなら中止するがボランティアの横の結束につながる機会になったと思う」と力強く話す。同フェスでは参加団体が独自に募金をするところもあり、多くの市民が募金していた。長崎生徒会連合はじめこれらの団体が集めた募金は、日本赤十字社や共同募金会、社会福祉協議会などを通じて被災地に届けられるという。