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魚の町で犬猫殺処分ゼロ継続目指すイベント 愛護団体が企画

来場を呼びかける山野さん(左)と木村さん

来場を呼びかける山野さん(左)と木村さん

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 長崎市犬猫殺処分ゼロ応援プロジェクト「手と手 あなたと私 人・イヌ・ねこ未来へ」が10月19日、長崎市役所広場と長崎市市民会館前広場で行われる。

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 長崎市を中心に活動する動物愛護団体、一般社団法人「長崎ライフオブアニマル」(諫早市)と一般社団法人「長崎さくらねこの会」が主催する同イベント。長崎市はかつて殺処分の多い自治体の一つとして知られ、猫だけで年間4000頭を超える殺処分を行っていた時期もあった。

 長崎ライフオブアニマル代表の木村愛子さんは2009(平成21)年に帰郷したところ、長崎は殺処分が全国でもワーストトップクラスの常連県となっている実態を知り、「人間によって命を左右される動物を救いたい」と同年12月、動物愛護団体「長崎ライフオブアニマル」を設立。飼い犬が迷子になった際の返還率を高めるため、名札の装着や飼い主への啓発活動に力を注ぐと同時に保護施設「ティアハイム」(長崎市上戸石町)や「ティアハイムセカンド」(諌早市)を開設するなど活動を行っている。2014(平成26)年には木村さんの努力が実り、同市での犬の殺処分ゼロが実現し、以降も10年以上にわたり、記録更新を継続している。

 「長崎さくらねこの会」代表の山野順子さんは2017(平成29)年夏、捨てられていた4匹の子猫を救うことができなかったことがきっかけで猫の愛護活動を始めた。不妊去勢後に元の場所に戻し、餌やりやふん尿の清掃を行いながら地域猫として管理する「TNRM」活動をスタート。「本来は外に猫がいないのが一番いい状態」という理念の下、地域猫活動に限界を感じ、譲渡型保護猫シェルターや野良猫の避妊去勢クリニックを開設。昨年4月には長崎市のミルクボランティア第1号の認定を受け、行政と連携した活動もスタート。今年3月、同市の猫殺処分ゼロ達成を大きく後押ししていた。

 「犬猫の殺処分ゼロの継続に向けて現状を知ってもらい、命の大切さや素晴らしさに触れるきっかけにしてもらいたい」と2団体が共同で企画した同イベント。当日は「わんわんふれあい会」や猫の里親譲渡会のほか、長崎の犬や猫の現状を知ってもらうためのポスターパネル展などを行う。

 「犬猫の幸せをみんなで作るために多くの人に知ってほしいことが詰まったイベント」と話す山野さん。「犬や猫との新しい未来を形づくるためにも、ぜひ会場に足を運んでもらえれば」と呼びかける。木村さんは「動物愛護センターに動物を連れて行くと殺処分されてしまうというイメージが強く、相談を受けることが多い。動物愛護といった堅苦しい言葉は抜きにして犬と触れ合うなど、子ども連れや家族連れで気軽に来てもらい、遊びの中で現状を知るきっかけにしてもらえれば」と来場を呼びかける。「殺処分ゼロを達成した市の取り組みや、これまでの歩みなども知ってもらえれば」とも。

 開催時間は10時~15時。入場無料。小雨決行、荒天中止。

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