長与町の中尾城公園(長与町)一帯とJR長与駅近くの河川敷で8月9日、原爆犠牲者の慰霊と恒久平和を願う「平和のともしび」が行われた。
19時から同公園「平和の広場」で点灯式が行われ、長与少年少女合唱団による合唱、平和メッセージの発信、平和宣言の朗読も行われた。
町内の5つの小学校と3つの中学校、5つの地域コミュニティー、一般および団体が、平和の言葉やイラストを書き添えて手作りした紙製の灯籠の数は約3000個。同公園「平和の広場」を中心とした園路一帯にずらりと灯籠を並べ、平和の願いを発信した。灯籠マップを片手に自分が描いた作品を探す子どもや町民らが多数会場を訪れた。
同イベントは、長与町の平和事業の一環として2005年から行われているもので、初年度は長与川で灯籠流しを実施。中尾城公園に「平和の広場」を整備した翌年から、公園内に灯籠を置く「平和のともしび」を始めた。
原爆中心地に近い長与町(当時は長与村)も爆風や熱線の影響を受け大きな被害を受けている。被害を受けながらも同町は長崎市から次々に避難してくる負傷者の臨時救護所が設けられたり、壊滅的な被害を受けた長崎駅の代わりに同町の道ノ尾駅と長与駅が救援列車の基点となるなど、救護隊として大きな役割を担った。同町は1994年に核兵器の廃絶と世界平和を願って「平和で安全な町」宣言を行っている。