国指定史跡・出島和蘭商館跡(長崎市出島町、TEL 095-821-7200)で1月1日から、正月限定企画として18世紀のオランダで実際に使われていた鐘をつくことができる。
元日の出島では、家族連れやカップルなど観光客らが西洋式の鐘の紐を引いて「カランカラン」という音を響かせていた。普段この鐘は出島のスタッフだけが鳴らすことができる。
同鐘は2006(平成18)年に同施設内にカピタン(オランダ商館長)部屋を復元した際、室内の調度品と一緒にオランダ・アムステルダムで調達したもの。1823年にオランダ商館医としてシーボルトが来日したのは1823年。その18世紀の終わり頃に鋳造された鐘であるため、出島で使われていたものと同系だと思われるという。出島で貿易が行われていた当時、正午の昼食時や貿易時の朝に船から積荷が降ろされるときなどに鐘が鳴らされていたという。
カピタン部屋横では、出島復元整備事業第2ステップとして平成22年度からオランダ商館跡の発掘調査が行われており、平成28年度に19世紀初頭の建物6棟の復元を予定する。
同館スタッフの大神健治さんは「新年を出島で迎える皆さんの1年の夢と復元が進む出島の未来を、鐘の音色に乗せましょう。出島にぜひ遊びに来てほしい」と話す。
カピタン部屋2階では、醤油や酒を入れて出島から輸出したコンプラ瓶という陶器に入った振舞酒も実施。着物着用者は入場無料となる企画も行っている。
開場時間は8時~18時。鐘をつける時間は10時~16時。出島入場には入場料500円が必要となる(1月1日から22日まで着物着用者は入場無料)。