女性だけで組織する「長崎あじさいライオンズクラブ」(長崎市魚の町)のメンバーらが12月1日、旧大丸デパート前(浜町)のアーケードで「世界エイズデー」の街頭募金活動を行った。
世界エイズデーは世界規模でのエイズ拡散の防止、エイズ患者やHIV感染者への差別・偏見を解消する目的で1988(昭和63)年に世界保健機関(WHO)が制定した国際記念日で、実施国の現地時間で12月1日と定められている。世界中のさまざまな機関でイベントや啓発活動が行われており、今年の日本でのキャンペーンテーマは「AIDS GOES ON. ~エイズは続いている~」。活動のシンボル「レッドリボン」は患者、感染者の連帯を表しているという。
同クラブは2008年に発足した全国でも珍しい女性だけのライオンズクラブ。旧大丸前でメンバーが掲げる横断幕の前に立った歌手の安倍里葎子さんは、通行人ら一人一人に募金を呼び掛け、募金した人にはレッドリボンを渡して、握手したり記念撮影に応じていた。「土曜日でまあまあ多くの人が立ち止まってくれたが、まだまだ認知してもらう努力が必要だと感じた」と感想を話した後、安倍さんは夢彩都前広場(元船町)での街頭募金活動に向かった。
同クラブ顧問で元WHO職員の溝田勉さんは「世界エイズデーは世界中の国連機関が総動員で行っているキャンペーン。世界三大感染症はマラリア、結核とエイズ。諸外国に比べて感染率が低いとはいえエイズは日本人にも決して無関係な病気ではない。エイズ患者をなくすことは困難だが、わずかでも予防したり減らす活動は続けなければならない。日本での認知は低いがこれからも積極的に活動していきたい」と話す。池田いづみ会長は「安倍さんとは不思議な縁でつながり、当クラブの平和大使的な役割を担って協力してもらっている。来年4月には発足5周年にあたり、地域のために貢献できる活動をこれからも続けていきたい」と話す。