長崎市中心街にある通称「りかちゃん通り」の商店主らが地域活性化のために結成した「りかちゃん通り向上委員会」が12月10日、店舗協調型生活提案ポータルサイト「Ricachan.net」を開設した。
同サイトは「平成24年度・長崎市まちなかにぎわい創出事業」の一環として採択された、「りかちゃん通りの活性化による新しいにぎわい創出事業」の中で整備される。本事業計画では、集客力が高い一過性のイベントや、流行の店舗の誘致などに頼る一時的なストリートへの交流人口増加策ではなく、ストリートを構成するそれぞれの店舗が独自に持つ「強み」を持ち寄ってお互いに協働し合うことで、新しい商品やサービスをストリート全体で継続的に生み出しながら、ファンを増やしていく仕組みを作り上げることを目指している。
クリスマスやバレンタインなど、女性が気になる時節イベントの過ごし方を、大人になった「りかちゃん」が向上委員会に賛同する21店が提案するアイテムをセレクトするというコンセプトでサイトを展開。提案は定期的にサイトに掲載し、「りかちゃん通り」を訪れる人へのナビゲーションの役割を担う。
オープニング企画では「りかちゃんもオトナになりました」と題し、新しい「りかちゃん通り」のコンセプトや各店からのメッセージ、時節イベントとして「オトナりかちゃんあったかクリスマス」を提案する。
「りかちゃん通り」は従来、通りが魚の叺(かます)のような形をしていることから「かます通り」と呼ばれていたが、現在は休刊となったタウン情報誌「ザ・ながさき」1984(昭和59)年10月号の企画による公募で「りかちゃん通り」という名称が決まった。正式名称ではないにもかかわらず、現在でも「りかちゃん通り」の名称が市民に浸透しており、各店舗の表記や駐車場の看板にも「りかちゃん通り」の名称が使われているケースが多い。
りかちゃん通り向上委員会事務局の田中英敏さんは「私たちは『路地裏のデパート』という気持ちでやっている。うちの店でも敷居が高いと思っている人がいるらしいが、そんなことはない。親子連れでもカップルでもおひとりでも、店員と気軽に笑って話せるストリートにしていこうというのが各店の気持ち。できることから少しずつ進めていくので、ぜひ一緒にこのストリートを育ててほしい」と協力を呼び掛ける。