侍アーチスト、「お名前アート」を実演販売-筆跡鑑定技術を応用

「デートの思い出に」と呼び掛ける、侍アーチストの進之助さん

「デートの思い出に」と呼び掛ける、侍アーチストの進之助さん

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 長崎浜町アーケードにある老舗文具店「石丸文行堂」(長崎市浜町)店頭で5月19日、長崎市在住のアーティスト・進之助さんが「お名前アート」の実演販売を行い、通行人の注目を集めた。

山口諒介さん(左)と松村舞さん(右)

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 最近では、さまざまなイベントに登場している進之助さん。侍のような和装で身を包み、筆によるアートなどを実演したり指導したりしており、地元テレビなどにも取り上げられている。「侍アーチスト」と自称する。アーチストとは、人と人との懸け橋となる「アーチ」の意味を込め、アーティストをもじった造語。広島で似顔絵描きなどをしていたが、あることがきっかけとなり2年間徹底的に心理学を学んだという。「筆跡から人の性格をほぼ正確に判断できる筆跡鑑定の技術も身に付けた。ヨーロッパでは立派な学問として確立しており、特にフランスの筆跡鑑定士は国家資格にもなっている」と進之助さん。

 昼過ぎ、店頭で進之助さんが「お名前アート」の準備を始めると、通行人らが遠巻きに様子をうかがっていた。一人の男性が進之助さんの前に座り小サイズ(=1,000円)を注文すると、たちまち後ろに人垣ができた。男性がメモに書いた下の名前を確認した進之助さんは、用意した小さな和紙にオレンジ色の墨汁で花びらのような模様を描き始めた。その後、黒の墨汁で花びら模様の周りに大小の線を描き始めると、花びらが名前の一部であることがだんだん分かってくる。これを見てうなずく男性に、男性の深層心理や性格を指摘する進之助さん。当たっていると驚く男性に「実はその人の筆跡から性格や深層心理が分かる学問がある」と明かす。最後は作品全体に注文者の好きな色で薄いぼかしを入れて完成。完成した作品には青い文字で、「ときには理性で動き、感性をおさえることで道は開ける」とアドバイスを添えた。

 その後、次々に依頼客が訪れ、周りで見守る人から「なるほど」「へ~」などの声が聞こえた。諫早在住の松村舞さんと山口諒介さんのカップルは2人の名前を一つの作品で依頼。出来上がった作品を手にした松村さんは「ずっと気になって、彼にやりたいと頼んだ。出来上がりがすごくかわいくて思い出になる」とほほ笑む。

 同店の松尾良太係長は、「あるご縁から進之助先生にお願いすることになった。私もこういうものは経験がなかったので新鮮。皆さんにぜひ体験してもらいたい」と利用を呼び掛ける。今後は毎月第3日曜日に開く予定。

 料金は、小サイズ=1,000円、中サイズ=2,000円、大サイズ=3,000円。中サイズ以上は別料金で額に入れることができる。

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