長崎で「日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会」-映画上映やシンポジウムなど

詫摩和彦医師が書き下ろした漫画「そいでよかさ」。医師のモデルは白髭大会長。

詫摩和彦医師が書き下ろした漫画「そいでよかさ」。医師のモデルは白髭大会長。

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 長崎ブリックホール(長崎市茂里町)で7月6日・7日、「日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会」が開かれる。

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 同大会は毎年全国各地で行われ、21回目となる長崎大会のテーマは「そいでよかさ、長崎~あるがままに生きるための地域連携ネットワーク」。患者本人と家族に納得できる治療を受け希望する場所で過ごしてもらいたいという願いを込め、いろいろな問題で悩んだ際も「選んだ方法、場所は全て正解」という意味で「そいでよかさ」(それでいいんですよ)と声を掛けることを提案する。

 6日のシンポジウムでは、大ホールでDr.ネットやあじさいネット、ナースネット長崎などの地域連携ネットワークの取り組みを紹介。リハーサル室では「葬儀のいろいろ」と題し、漫画「おたんこナース」の原作者で元看護師の小林光恵さんによるエンゼルメーク(死に化粧)の実演が行われる。エンゼルメークは大会長の白髭豊医師に施す。別会場では在宅ホスピスの専門医・小澤竹俊さんによる「いのちの授業」が行われる。小澤さんは数多くの著書を持ち、長年にわたって小中高生に人の話を聞いてその人の支えとなる「ホスピスマインド」を説いており、その話をきっかけに医師になった子どももいるという。

 午後からは長崎で撮影された映画「いつか読書する日」の上映と緒方明監督のトークショーが国際会議場で行われる。同映画の背後には認知症や介護の問題があり、トークショーの相手方として医学生の青春群像を描いた1980年公開の映画「ヒポクラテスたち」の監督で元医学生の大森一樹さんも登壇する。

 7日は日本聞き書き学会講師の小田豊二さんによる聞き書き実践についての基調講演がリハーサル室で行われる。「聞き書き」とは、聞いて書き留めるという誰でも簡単にできて喜ばれる技術。例えば、長年漁師をしていた老人からいろいろな話を聞き書きして記録した場合、本人が亡くなった後でも技術の伝承や昔のことを知る手掛かりが残されるが、記録がなければ全て消滅する。基調講演の後は全国の実践者らが登壇し、活動紹介を行う。

 午後は大ホールで、ノンフィクション作家で内科医の徳永進さんと、文筆家で小児がん専門医の細谷亮太さんのトークセッション「とことん命を語り合う」が行われる。

 ほかにもノンフィクション作家の柳田邦男さんの登壇や、ホスピス・在宅ケアの専門医である柏木哲夫さん、池永昌之さん、大田洋二郎さん、樋野興夫さん、首藤眞理子さんらのセミナー、サウンドヒーリング、癒しの体験ブースや各種展示などが行われる。

 7日の閉会式後の15時30分からは、認知症の母との触れ合いを描いた漫画「ペコロスの母に会いに行く」の原作者・岡野雄一さんによる市民公開講座が開かれる。

 白髭大会長は「患者さんやその家族は、いろいろな問題にぶつかっている。その思いを関係者全員で理解し支えるときに掛ける言葉の一つが長崎弁の『そいでよかさ』。その人があるがままに生き、その人らしく逝くことを支えられる多職種協働の輪をもっと広げていきたい。入場料はかかるが、めったに聞けない貴重なイベントが並行してたくさん開かれる。医療・福祉関係者はもちろん、一般市民の人たちにも開かれた大会にしたい」と参加を呼び掛ける。

 開催時間は9時~17時30分(7日は15時まで)。入場料は5,000円。市民公開講座「ペコロスの母に会いに行く」は入場無料。
 詳しい大会スケジュールはホームページで確認できる。

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