長崎のペットホテル経営者が起業基金創設-「浦川賞」30万円を無担保融資

浦川龍徳さん

浦川龍徳さん

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 長崎で起業家を支援したいと考えたペットホテル経営者が今月、個人で起業基金「浦川賞」を創設した。

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 同賞を創設したのはペットホテル&ペット美容室「愛LOVEアニマル」(長崎市西山4、TEL 095-827-0881)の浦川龍徳社長。個人的に応援してきた起業プレゼンテーションイベント「ドリームプラン・プレゼンテーション長崎(略称=ドリプラ長崎)」を通じ、普通の人が起業家に変わっていく様子を見て何か支援したいという気持ちが大きくなったという。当初は事業資金を個人的に寄付しようと考えたが単発で終わっては意味がない。支援を継続するには寄付ではなく融資の形を取り、その後も継続して一人でも多くの起業家を支援できる仕組みを作ることが大切だと考えた。

 「個人的な思いつきだが、支援する側にもたくさんの人に関わってもらうことで基金としての意味を持たせたい」と話す浦川さん。自身が支援したいと考える起業家に起業資金30万円を「無担保」「無保証」「無利息」で貸し付ける仕組み。返済は利益が出始めてから返済計画を提出してもらい、自主的に返済してもらう。

 浦川さんは「自分だけではなく、多くの人に原資を提供してもらうためには楽しめる仕組みが必要」と考え、過去にも開いたことがあるパーティーに着目。12月7日の土曜の夜に「日本酒と鍋の会」を開催する。材料などは浦川さんが提供し、参加費1,500円を基金の原資に組み入れる。今までに築いた人脈、フェイスブックなどを通じて既に男女合わせて50人以上が参加を予定する。会場では今回の同賞受賞者・生月菜々子さんが参加者の前で事業プレゼンを行う予定。持ち時間の関係でドリプラ本番では語れなかった部分まで起業に懸ける思いを語るつもりだ。

 大学3年生だった20歳のころ、母親がペットシッターを始め、アルバイトとして手伝ったことが動物関係の仕事に関わるきっかけになった浦川さん。当時は好景気だったこともあり、ペットシッターの需要が多く断ることもあったという。その後、母親の後を引き継いでペットホテルやペット美容室経営に乗り出した。同ホテルでは「ノンゲージ預かり」を採用。一般的な狭いゲージにペットを閉じ込めることなく、広い部屋でのびのびとスタッフがペットと遊びながら預かることから口コミで利用客が絶えないが、当初は苦労したという。

 「当初はペットがけがをしてしまったりいろいろあった。その中でノウハウを積み重ねてきたので今では安心して任せてもらえる。時代の流れでビジネス環境は大きく変化したが、常連さんや口コミに支えてもらえるのが本当にありがたい。浦川賞は私の独断と偏見のため、ドリプラとは一切関係ないのでお間違いなく」とも。

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