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映画「ペコロスの母に会いに行く」、ヨコハマ映画祭で監督賞・撮影賞受賞

赤木春恵さん(左)と岩松了さん(右)©「ペコロスの母に会いに行く」製作委員会

赤木春恵さん(左)と岩松了さん(右)©「ペコロスの母に会いに行く」製作委員会

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 2月2日に横浜・関内ホールで表彰式が行われる「ヨコハマ映画祭」の受賞作品が発表され、長崎在住の漫画家・岡野雄一さんの原作漫画を映画化した「ペコロスの母に会いに行く」が監督賞・撮影賞を受賞した。

劇中の加瀬亮さん(左)と原田貴和子さん(右)©「ペコロスの母に会いに行く」製作委員会

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 昨年1月に岡野さんが500部だけ自費出版した同名の漫画本がきっかけになり製作された同作。自費出版本がインターネット上で話題を呼び、300部ほど売れたところで原作を読んだ映像プロダクション社長・井之原尊さんから映画化の企画が持ち掛けられた。自費出版本の販売を手伝っていた音楽プロデューサーの村岡克彦さんと井之原さんは複数の映画関係の会社に企画を持ち込んだが全て断られた。「こうなったら自分たちで作ろう」と決意した2人はフェイスブックを使って資金調達を開始。日々寝る間も惜しんで東奔西走しながら資金調達する中で徐々に協力の輪が広がり、協賛する企業が現れ、映画化が現実のものとなった。その後、商業出版化された原作本は現在20万部まで重版されている。

 同映画祭は1980(昭和55)年に映画好きの3人のサラリーマンが発足。第1回の作品賞は長谷川和彦監督、沢田研二主演の「太陽を盗んだ男」。今年35回となる同映画祭は厳正で中立な立場を貫くため、自治体や企業からの支援を受けず、映画好きな会社員や学生のボランティアが運営している。現在では多くの映画製作者、俳優が権威ある重要な映画祭として重要視する。

 監督賞を「ペコロスの母に会いに行く」の森崎東監督が、撮影賞を同じく浜田毅撮影監督がそれぞれ受賞。映画評論家やジャーナリスト、映画ファンの選考委員の投票により決められる「日本映画ベストテン」では同作が第3位を獲得した。作品賞は白石和彌監督作品「凶悪」。映画祭当日は、上位3作品が下位から順に上映される予定。結果は以下の通り(敬称略)。

 監督賞=森崎東「ペコロスの母に会いに行く」
 撮影賞=浜田毅「ペコロスの母に会いに行く」
 脚本賞=是枝裕和「そして父になる」
 音楽賞=安川午朗「凶悪」「フィギュアなあなた」「甘い鞭」ほか

 森田芳光メモリアル新人監督賞=白石和彌「凶悪」 
 同=中野量太「チチを撮りに」

 主演男優賞=福山雅治「そして父になる」「真夏の方程式」
 主演女優賞=真木よう子「さよなら渓谷」 
 助演男優賞=リリー・フランキー「凶悪」「そして父になる」
 助演女優賞=二階堂ふみ「地獄でなぜ悪い」「四十九日のレシピ」ほか
 同=渡辺真起子「チチを撮りに」「だいじょうぶ3組」ほか
 最優秀新人賞=三吉彩花「旅立ちの島唄~十五の春~」「グッモーエビアン!」
 同=星野源「地獄でなぜ悪い」「箱入り息子の恋」
 同=黒木華「舟を編む」「草原の椅子」「シャニダールの花」ほか

 日本映画ベストテン
 1位=「凶悪」白石和彌監督
 2位=「舟を編む」石井裕也監督
 3位=「ペコロスの母に会いに行く」森崎東監督
 4位=「そして父になる」是枝裕和監督
 5位=「横道世之介」沖田修一監督
 6位=「さよなら渓谷」大森立嗣監督
 7位=「地獄でなぜ悪い」園子温監督
 8位=「許されざる者」李相日監督
 9位=「共喰い」青山真治監督
 10位=「チチを撮りに」中野量太監督

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