長崎シビックホール(長崎市常磐町)で2月1日、海洋冒険家など4人が集まり体験談などを話す「海旅(うみたび)一座」新春旗揚げ講演会を行う。主催はカムナ葦(あし)船プロジェクト。
同プロジェクトリーダーの石川仁さんは1987(昭和62)年~1989年、アメリカ、南インド、ヨーロッパ、東アフリカで放浪の旅を体験。その後、極地民族の生活に興味を抱き1990年~1991年は半年間、単身サハラ砂漠2700キロをラクダとともに歩いた。翌年には寒冷極地・アラスカのイヌイットと生活を共にしてウミヤック(獣革船)を造船。1995年から1996年にかけ、ペルーに移住し1年半を現地ガイドとして過ごした。その時、葦船に出合い5人の仲間とともに周囲1000キロに及ぶチチカカ湖を4カ月かけて葦船で一周。その後もチリからポリネシアまで88日間、8000キロ、スペインのバルセロナからモロッコ経由でアフリカまで2カ月間、3000キロを葦船で航海するなど、さまざまな体験をしている。航海中に船が真中から割れたこともあったという。
一昨年、石川さんは島根でシーカヤック海洋冒険家の鈴木克章さんと出会い意気投合。この出会いがきっかけとなり、カヤックビルダーの洲澤(すざわ)育範さんや、毎年3カ月間イヌイットと生活するというイヌイット猟師見習いの高沢進吾さんらと「海旅一座」を旗揚げした。座長の洲澤さんは元カヤック競技の選手だったが事故を契機にビルダーに。高沢さんは20年ほどクジラ漁に関わっており、鈴木さんは現在も手漕(こ)ぎの舟で日本を一周する冒険中だという。講演会では「海から賜ったもの」をテーマに、それぞれのスペシャリストが資料を交えて話を披露する。
石川さんは「陸地の冒険の話はよく聞くが、日本は海洋国なのに海の話を聞く機会があまりない。私が最近、長崎市内に移住したのをきっかけに長崎で旗揚げ講演を行い、佐世保、諫早、北九州、小倉、島根、下関とつないでいく。来年は話だけではなく、実際に葦船作りやクルージングを体験してもらえるようにしたい」と意気込む。
講演時間は17時30分~20時。会費は1,500円(ワンドリンク付き)。小学生以下は無料。翌2日は佐世保、3日は諫早、その後も各地で講演を予定する。