長崎市中心部、万屋町通りに4月6日、パワーストーン専門店「ベルジュール」（長崎市浜町、TEL 095-895-7039）が時津町から移転オープンした。

2階のサロン室

　店主の川濱浩美さんが事務系の企業を経営していたころ、経営や人間関係に悩んだ時に親身に相談に乗ってくれる僧侶が四国にいたが、その後亡くなった。自らも陰陽五行や九星気学を学び始めた川濱さんはパワーストーンを身につけるようになったが、当時はパワーストーンの「念珠」をカスタマイズして作れば既製品に比べて料金がかなり高くなるので「誰か安く作ってくれないかな」といつも考えていたという。「念珠」は生年月日から導いたラッキーカラーの石と脇玉、108個の水晶で構成され、お守りとして手首などに巻く。

　制度改革などでいよいよ従来の事業が苦しくなったある日、亡くなった僧侶が夢枕に現れ、一言「石」とつぶやく夢を見た川濱さんは8年前、長崎市郊外の時津町に前身となる店を開いた。「誰か作ってくれればと思っていたが、まさか自分で手掛けるとは思わなかった。これも何かの巡り合わせ」と振り返る。店は後にカレー店を併設し、口コミで客も増えたが、最近になり近くに大型量販店が次々に出店。「開店当時とは大きく環境が変化した。お客さまの利便性と店の独自性を守ろうと考えたら移転する時期」と考え、市内中心部に物件を探しに出掛けた。

　万屋町通りを歩いていた川濱さんは、あるアパレル店の前で思わず立ち止まった。以前、この店を利用したことがあり、賃貸に出されている物件ではなかったが2階をサロンのように利用できることを思い出したことや立地条件からとても魅力的に映った。一緒にいたスタッフらと「ここを借りられたらいいね」と話した夜、不動産業者から紹介された物件は、まさにその店舗だった。「嘘のような本当の話。断る理由はどこにもなかった」と、川濱さんは即座に契約した。

　息子でマネジャーの川濱和貴さんは「最近人気がある『サンキャッチャー』の取扱量では九州最大規模。店頭のウインドーに展示しているが、飾りきれない在庫を山のように保管している。手軽な1,000円台から扱っている」と説明する。サンキャッチャーとは太陽光をプリズムのように屈折、透過させるカットガラスなどで構成されたインテリアアイテム。外からの光が差し込む窓辺のカーテンレールなどにつるすと、太陽光が複雑に屈折して部屋の中に虹色の光の乱舞を映し出す。風水の縁起物としても知られ、最近はギフトとしても人気があるという。

　浩美さんは「私はただ石を売るのではなく、2階のサロン室で一人一人の話をじっくり聞かせてもらいたいと思っている。私自身が僧侶に話を聞いてもらったように、話を聞いてほしいという人の話を聞いてあげたい。そしてその人の話や生年月日から、その人に合った『念珠』のカスタマイズができれば私自身もやりがいがある」と話す。

　カスタマイズした『念珠』の価格は5,000円～（税別）。川濱さんは「既製品が5,000円から6,000円程度なので既製品の価格でカスタマイズできるのが自慢。直接、海外から買い付けているので素材にはこだわっているし、価格も抑えている。以前、パワーストーンを買った人が東北の被災地にプレゼントしたことがきっかけとなり、最近は東北方面からの注文も多い。ぜひ役立ててもらえれば」と話す。

　営業時間は11時～19時30分。水曜定休。