長崎のリフォーム企業「クアンホーム」(時津町)は現在、長崎市内の宮摺海水浴場を舞台に「宝探し」を楽しむ「リアルトレジャーハンターゲーム」の開催を企画している。
同社の小坂達也社長が所用で宮摺海水浴場を訪れたとき、海水浴場があまりにも荒廃している様子に心を痛めたことがゲームを企画するきっかけとなった。「たまたまバスの運転手さんから聞いた話によると、今では泳ぐ人がほとんどおらず、沖では砂の採取が行われているので、砂浜もどんどん削られている。海水の近くあたりは石ころだらけ」と話す小坂社長。最初は掃除しようかと思ったが、そんなレベルではないとすぐに分かった。悩んだ末、逆転の発想が浮かぶ。
「ゴロゴロした石をひっくり返すと、魚やカニが隠れていたり、水たまりには小魚がいっぱいいたり。岩場にはウニもいて、割ってみたら中身がぎっしり詰まっていた」。小坂社長は砂浜しかない海でただ泳ぐより、家族と一緒に魚やカニを捕まえたり、小魚を手ですくったりする体験をする方が「子どもたちにとって、一生忘れない思い出が作れるのではないか」と考えた。
小坂社長は使われなくなった海の家をリフォームするため、大手百貨店やアウトレットモールなど、さまざまな建築に携わった実績を持つ建築デザイナーの下村誠さんをリフォームの総指揮者として起用。同海水浴場を復活させる為の中心施設として、もともとあった「海の家」のリフォーム再生計画に着手した。
「もともとビーチだったので、子どもたちが遊んでいる姿が見渡せる場所に海の家がある。ここを快適なシャワーやトイレが完備した施設に改装して、『過疎化した海水浴場』というビフォーが、親子でわくわく楽しめる『自然のテーマパーク』のアフターに大変身する」と意気込む。「パワーストーンや古銭、特殊な貝殻などを浜に埋めて、それをゲームとして親子で探し当てる。アイデアはまだまだたくさんあるが、今は企業秘密」と、小坂社長はほほ笑む。
「来月後半には夏休みが始まる。その前には、誰もが親子連れで出かけたくなる内容が発表できると思う。一番の『宝物』は、ここでの思い出になるはず。わくわくしながら待っていてほしい」とも。