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長崎くんち「小屋入り」-秋の本番に向け練習本格化

八坂神社へ「清はらい」に向かう人たち(撮影=江頭浩子さん)

八坂神社へ「清はらい」に向かう人たち(撮影=江頭浩子さん)

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 諏訪神社(長崎市上西山町)で6月1日、秋の例大祭「長崎くんち」(10月7日~9日)の最初の公式行事「清はらい」が行われた。

「銀屋町」の打ち込みの様子

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 資料によると、「長崎くんち」は1634年、長崎奉行の援助の下に諏訪神社初代宮司の青木賢清が旧暦の9月7日~9日を祭日として初めて制定。1642年、市内に散在していた遊女屋を一カ所に集め「丸山町」「寄合町」の2カ町を新設し、両町は毎年奉納踊りをすることになる。1654年には出島に在住するオランダ人のために、大波止に初めてお旅所の桟敷が用意された。現在でも人気がある「くじらの潮吹き」は1778年に、「コッコデショ」は1799年に、それぞれ登場している。

 おくんちに大金を使い風俗を乱すという理由で1683年、1842年、1868(明治元)年の数回にわたり「華美禁止令」が出され、1865年には「諏訪神社の踊りで舞妓(まいこ)を裸体にすること」が禁じられた。1875(明治8)年に太陰暦から太陽暦への移行に伴い現在の日程に変更されたという。原爆投下直後の1945(昭和20)年、長崎の街が焼け野原となった状況下で、丸山花月の本田寅之助さんが踊り子数人を連れて祭りを強行。伊勢宮(伊勢町)、八坂神社(鍛冶屋町)にも踊りが奉納されたという。1979(昭和54)年、国の重要無形民俗文化財に指定された。

 6月1日は出し物の稽古始めに当たる「小屋入り」の日。踊町(おどりちょう)のメンバーらは諏訪神社や八坂神社などに参拝し、稽古の無事や祭りの成功を祈願する「清はらい」を行った。その後、午後からは関係者へのあいさつ回り「打ち込み」が行われ、実際に行う演奏などを関係者に披露。町内の家庭や企業の玄関先には「幔幕(まんまく)」が張られた。

 今年の踊町と出し物は、八幡町「山伏道中、剣舞、弓矢八幡(はちまん)祝い船」、麹屋町「川船」、銀屋町「鯱(しゃち)太鼓」、西濱町「龍船(じゃぶね)」、興善町「本踊り・石橋(しゃっきょう)」、万才町「本踊り」、五嶋町「龍踊り」の7カ町。10月の本番に向け、これから各地で練習が活発になる。

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