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茂木で遊漁船主催の釣り大会 地域活性化つなげたい

 「第4回茂木港発鯛ラバSLJカップ」が4月19日、茂木港(長崎市茂木町)で開催された。

 


【イベントを主催した遊漁船初丸】


【イベントの進行をする初丸の山下船長】

 

 イベントが行われた茂木は長崎市内中心部から車で20分、長崎自動車道長崎ICから7分ほどの港町。日本一のビワの生産地として知られ、長崎の銘菓の一つ「一口香(いっこっこう)」や茂木びわゼリーを販売する1844年創業の菓司「茂木一まる香本家」や1978(昭和53)年創業のベーカリー「オロン」のほか、橘湾を望む長崎の奥座敷として橘湾の鮮魚を味わえる料亭が軒を連ねる町としても知られる。漁業も盛んで、釣り人を漁場に案内する遊漁船も多く拠点を構える。

 


【茂木の風景】


【茂木港の様子】

 

 初心者からベテランまで楽しめる釣りを通じて親睦を深め、飲食店なども巻き込んで地域一体となった活性化と健全なレジャーフィッシングの推進を目指す同イベント。主催する初丸は2022年に天草西海岸~長崎近海でマダイなどを狙う「タイラバ」や小型の金属製ルアーを使ったスーパーライトジギング(SLJ)のガイドをする遊漁船として開業。山下峰幸船長は「茂木の海の魅力を再発見し、地域活性につなげたい」と茂木港を拠点とする遊漁船に呼びかけ、2024年3月に3隻合同で同イベントを初開催。15人規模の小さい釣り大会だったが、釣り人の間で評判となり、昨年3月の第2回では為石港の遊漁船「凪(なぎ)」も参加して28人規模に拡大。昨年11月の前回大会では6隻40人規模になっていた。回を重ねるごとに参加希望者が増え、今回は72人が参加したことから神の島を拠点にする遊漁船「煌海」なども加わり、10隻体制での開催となった。

 


【タイラバやSLJで使うメタルジグ】

 

 当日はあいにくの雨模様となったが、海は凪だったことから開催を決めた。5時にスタートした受け付けでは香川発のタイラバブランド「CRAZY collection(クレイジーコレクション)」が同イベント記念のタイラバ仕掛けを全員に配布した。受け付けを済ませた参加者らは割り当てられた船に乗り込み、準備を始めた。

 


【イベントで配布した記念のタイラバ仕掛け】

 

 6時に全船が港を離れると茂木港沖に10隻が並んだ。山下船長が初丸の山下峰幸船長がお神酒で清め、花火を打ち上げて大漁を祈願すると各船が一斉にポイントへと向かった。

 


【お神酒で清める山下船長】

 

 大会では14時に帰港してマダイや根魚2匹の重量で競う。茂木港を拠点とする遊漁船「WHITE BASE」の乗船者らが検量に持ち込むと70センチ~80センチほどの大型のマダイが並び、暫定上位を独占。参加者らからは驚きの声が上がった。マダイのほか、アオハタや青物、アマダイなど型は落ちるもののバラエティー豊かな釣果に恵まれた船もあった。



【マダイを中心に釣果が持ち込まれた】


【初丸ではマダイのほかアオハタや青物などバラエティー豊かな釣果に恵まれた】

 

集計の結果、マダイ2匹で8.4キロの釣果を上げた山崎さわ子さんが見事優勝。「WHITE BASE」と共に樺島沖のポイントを目指した遊漁船「志摩」に乗船した森田祐介さんがマダイ2匹7.7キロの釣果で2位に滑り込み、表彰台の独占を阻止した。3位は優勝した山崎さんと同じく「WHITE BASE」に乗船した岩崎寛さんがマダイ2匹7.3キロで入賞した。優勝した山崎さんと2位の森田さんにはロッドが、3位の岩崎さんにはクーラーボックスが、それぞれ贈られた。

 

【2匹で8.7キロのマダイを釣り上げ見事優勝した山崎さんとWHITE BASEの熊大輔船長】

 

 会場では地元の名物を味わってほしいと山下船長が「長崎一番」(田中町)のハトシと「中崎水産」(茂木町)の「ふぐだしラーメン」を振る舞い、参加者らは舌鼓を打った。

 


【長崎一番のハトシ】


【中崎水産のふぐだしラーメン】


【かまぼこの直売会も行われた】

 

惜しくも入賞を逃した船の船長同士でじゃんけんを行い、入賞した船の同船者、じゃんけんに勝った船の同船者の順に全員参加でくじ引き大会を行った。賞品には釣りざお4本やリール1台をはじめ、釣り具や地元特産の干物や農産物などが並んだ。参加者らはくじを引く度に一喜一憂しながらヒートアップ。残った商品を懸けたじゃんけん大会も行い、最後に残った釣りざおの争奪戦もあって大いに盛り上がった。「茂木一まる香本家」の「一口香」も全員に配られた。

 


【表彰式の様子】


【抽選会の様子】


【賞品にはさお6本が用意された】


【メーカーなどの協賛で並んだ景品】


【農産物や干物などの特産品も用意された】

【茂木の銘菓「一口香」も全員に配られた】

 

 優勝した山崎さんは茂木の「お食事処やまさき」の女将(おかみ)。地元を盛り上げようとイベントを開催している山下船長のことを知り、第2回大会から協賛していた。10年ほど前からエギングをしていたという山崎さん。コロナ禍を機に船釣りもするようになっていたが、「タイラバはあまりしたことがなく、不慣れ」と言う。大会の前週に練習釣行に出かけていたが自分だけ釣果に恵まれず、悔しい思いをしたと振り返る。

 

 当日は朝から雨が降り釣りにくい状況だったが、同船者がさっそく70センチを超える良型を釣り上げていた。「WHITE BASE」に乗船した。8人は誰かが大物をかけると声をかけ合いながら盛り上がり、チームのような雰囲気のなか、コンスタントに良型マダイが上がっていたという。山崎さんはなかなか良型の釣果に恵まれず、同船者にカラーやウエートなどアドバイスを受けながら粘り強く釣りを続けていた。アドバイスに従い、手持ちで最も重い150グラムのウエートにグリーンのネクタイを組み合わせた仕掛けに交換したところ強烈な当たりを捉え、80センチにはわずかに届かなかったものの5キロ超える立派なマダイを釣り上げることに成功。見事優勝を手にした。「日によって当たりの多いカラーや巻き速度があるなど奥深く、タイラバの魅力により一層のめり込みそう」と笑顔を見せる。

 

 準優勝の森田さんが乗船した「志摩」でもポイントに到着すると、さっそく大きなアタリがあり、格闘の末75センチ5キロクラスの大型マダイが上がった。その後も70センチ程度の良型マダイが4匹ほど釣れたが、9時ごろに満潮の潮止まりを迎えるとアタリが遠のいた。下げ潮が動き始めるとポツリポツリとあたりがあったもののサイズは小さくなり、乗船した6人全員が良型マダイを釣り上げたが、良型2匹をそろえた乗船者がいないまま12時すぎに最後のポイントに船を着けた。自作の仕掛けで狙っていた森田さん。小さな前アタリの後、アワセを入れると50メートルほど一気にラインを引き出されながらも、やり取りの末、帰港間際で2匹目の良型をキャッチ。2位に滑り込んだ。

 


【真剣にマダイを狙う参加者ら】

 

 「日頃から利用してもらっている客を中心に茂木や周辺の地域の遊漁船に声をかけて、みんなで楽しんでもらえるイベントにしたい」と話す山下船長。「和気あいあいとみんなで盛り上がってもらえる雰囲気を大切に、大好きな茂木地区を盛り上げることにもつなげられれば」と意気込む。「年2回、タイのシーズンを迎える春・秋での開催を目指したい」とも。

 


【参加者全員での集合写真】

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