研修の一環で来日しているカンボジアの教員らが5月16日、赤瀬の浜(長崎市野母町)で行われた清掃活動に参加した。
教員らは、教員育成支援に取り組む一般社団法人「教育支援センターキズナ」(城山台1)が手がける保健教員育成を目指す研修プログラムの一環で来日。日本財団(東京都港区)は内戦終了後からカンボジアで小学校建設支援を行い、100校を設立。2004(平成16)年から教育人材育成を目指したソフト面の支援に注力してきた。同団体はパートナーとして人材育成に取り組んできた。
現地で保健を指導する教員に「日本の教育環境を実際に見てもらいたい」と企画した研修は2023年9月に続き2回目。カンボジア南西端のタイと国境を接するコッコン州から約20人が参加。日本の教育現場などの視察の一環で「日本のごみの考え方や環境問題についても知ってほしい」と、野母崎エリアの海岸清掃に取り組む市民団体「team長崎シー・クリーン」に呼びかけ、清掃活動への参加を決めた。
教育支援センターキズナの高田忠典さんによると、「前回の視察でteam長崎シー・クリーンの清掃活動に参加した教員らが海岸清掃や環境活動をカンボジアでスタートさせた。途上国であるカンボジアでは貧困で日々の生活に追われる中で、ごみを拾う習慣もなかったが、清掃活動の取り組みをSNSを通じて紹介たことでコッコン州の全地域に活動が広がっている。地域の人が協力して清掃を行うことでコミュニティーの円滑化の一助にもなっているようだ」と話す。
当日、同団体のメンバー11人と共に最干潮となる13時から1時間30分ほど清掃活動を行ったカンボジアの教員ら。清掃後に設けられた意見交換の場で、カンボジアの教員らは「清掃活動を地域の人と継続していくためにどのようにしたらいいかヒントが得られれば」と話した。同団体の活動に参加している中学2年と高校3年の子どもたちが活動を続けている理由や活動に参加する思いなどについてスピーチを行った。6年ほど活動を続けているという同団体代表の出水享さんは「清掃活動する仲間を増やす活動をしていこうと考えている。清掃活動の後、一緒に食事をしたり、マリンスポーツを楽しんだりしている。今回のごみに漁業関連のものも多かったが、漁師にも声をかけたり、他の地域の清掃活動に参加したりすることで、より多くの人を巻き込んでいくことを大切にしている」と、これまでの取り組みについて紹介。カンボジアの伝統的な「アンコールダンス」で交流を深める一幕もあった。
出水さんは「長崎での活動がカンボジアにも影響を与えていることは、海を越えて世界に広がっているようでうれしい」と話す。