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長崎グルメ探訪2013-05-07

第1回店舗編「trattoria UGO」

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長崎の繁華街の入り口、思案橋から一本道路を入った場所に、本格的なイタリア郷土料理を食べさせる店がある。店の名は「trattoria UGO」。週末ともなれば、小さな店内は女性を中心にほぼ満席になるという。
「長崎グルメ探訪」第1弾は、山下俊夫弁護士がほれ込んだオーナーシェフ・吉田太さんと奥さまの綾子さんを、開店準備の合間に訪ねた。

■店名の由来は意外なところに

-店をオープンしたのはいつごろですか?

シェフ:2006(平成18)年の8月10日です。今年で丸7年になります。

-「ウーゴ」という店名の由来は?

シェフ:以前働いていた店のイタリア人シェフに「ウーゴ」と呼ばれていました。いわゆるあだ名です笑)。

-え?あだ名ですか? どんな意味ですか?

シェフ:あまり意味はありません。呼びやすかったからだそうですが、「ウーゴ」というのはイタリア人に多い名前らしいのです(笑)。

-面白い由来ですね(笑)。以前はどこで働かれていたのですか?

シェフ:以前はハミルトン嬉野にいました。その前にイタリアで1年間修業しました。

-今回の推薦者である山下弁護士から聞いた話ですが、一昨年の10月ごろ、新婚旅行も兼ねてイタリアに1カ月修業に行かれたとか?

シェフ:日本にいるとどうしても現地の本当の料理からだんだんズレが生じてしまいます。修業というよりも、もう一度、本場の味や空気に触れることで自分を再確認するというか、ズレを修正する必要があります。もうイタリアから帰ってきて7年もたっているし、そろそろイタリアの現地に行かないといけないなと思っていました。だから今後も定期的にイタリアには行きたいと思っています。

■ホームページもない店に顧客が

-山下先生が、お客さんが離れるからと長期のイタリア行きを心配されたらしいですね。でも実際には予想を裏切る結果が待っていた。

シェフ:ホームページとかブログのようなものは全く持っていませんので店の前に小さな張り紙をして、「何日に再オープンします」と告知しただけですが、当日はたくさんの方に来ていただけました。

-それだけ皆さんが待っていてくれたということですね。

シェフ:皆さんにかわいがっていただけるからこそ今日があります。本当にありがたいことです。

-その1カ月間で得た成果はどうですか?

シェフ:かなり得たものがあります。自分が作りたかった料理というのは、こういうものだったんだな…と、素材を生かしてシンプルに作る、素材が前面に出てくる料理。そんなものが素直においしいと言える料理ではないかと心から感じることができました。

■シンプルな「おいしい」にこだわる。

シェフ:シンプルに「へ~、この野菜ってこんな味がするんだ」と素直に感じられる「おいしい料理」を作っていけたら幸せですね。

-では、イタリアでの1カ月間の後にできた料理もあるのですね。

シェフ:たくさんあります。それまでのメニューに、その成果を反映したものもあります。

-小さいころの吉田シェフは、どんなお子さんだったのですか?

シェフ:両親は島原半島の瑞穂(みずほ)町(現・雲仙市)出身です。父が銀行員で転勤族だったので、東京で6年間、次に名古屋で6年間、千葉に3年、福岡で3年間過ごしました。

-それだけ引っ越しが多いと大変でしたね。

シェフ:そうですね。そして長崎の大学に入ったので、長崎に来たのはそれからです。

-しかし、なぜ長崎にイタリアンのお店を開こうと思ったのですか?

シェフ:自分の中では「地元は長崎」という強い意識があるわけですよ。自分で食べ歩くようになったのも、大学生時代からです。

そうなると、長崎の地のものというのを知り始めて、長崎という場所は「何に対しても恵まれた環境がある」と、あらためて気付きました。そこが原点ですね。

-何か分かるような気がします。長崎は食材がおいしいですよね。

シェフ:そうです。本当においしいですよね。

-でも吉田シェフは経済学部でしょ。なぜ料理の世界へ?

シェフ:基本的に料理を作るのが大好きなんですよ。学生時代も飲食店でアルバイトしていました。

-なるほど。アルバイトで目覚めたという経営者の方、結構いますよね。

シェフ:そうです。それに小さいころから料理を作ることは大好きだったので、よく作っていました。小学校のころから、帰ってきたら簡単なチャーハンとか、おやつなんか作っていましたね。

-では、ベースは子どものころから十分あったのですね。

シェフ:そうですかね?

■周囲も認める徹底した凝り性

-奥さまから見たご主人はどんな方ですか?

綾子さん:料理だけではなくて、一つ何かに興味を持ったら、何に対してもよく調べています。本当に研究熱心な人だと思いますよ。

-凝り性ですか?

綾子さん:凝り性と言うのかどうかわかりませんが…。そうですね、かなり凝り性だと思います。人に聞いて教わることもあれば、本を読んだり今はインターネットで調べる事ができるので、料理に限らず常にいろんなことを調べています。興味がとても幅広いというか、好奇心旺盛と言うか…。

-料理だけではなく豊富な知識が料理の幅を広げるのでしょうね?

シェフ:さ~、それはどうでしょうか?そうなのかな?()

綾子さん:そうだと思いますよ。主人は料理だけではなく、あらゆるジャンルのことにも興味の対象が幅広いので料理にも反映していると私は思います。何かするときの前提にいろんな知識があるかないかで、結果は大きく違うのではないでしょうか?

■店の運命も変えた綾子さんとの結婚

-逆にシェフから見た奥さま、綾子さんはどんな方ですか?

シェフ:一昨年、結婚したのですが、常連の方からも「(綾子さんと結婚して)良かったね」といつも言われます。店が良くなった、明るくなったと(笑)。

-それは山下先生もおっしゃっていました。店が生まれ変わったと(笑)。

シェフ:常連さんたちにも(綾子さんを)すぐに受け入れていただけました。

今では真っ先に「綾子さんは?」と聞かれますし、いないと分かると、あからさまにがっかりする方もいます(笑)。

-なるほど。それは良かったですね(笑)。

シェフ:(綾子さんが)店に立つようになってから、まだ1年もたっていないのですよ。ありがたいです。

-差支えがなければ、お二人のなれそめをお聞かせください。

シェフ:実は5年くらい前からの常連さんです。

-そうですか?綾子さんはもともと、常連さんだったのですか?

綾子さん:そうです。友達と一緒によく食事に来ていました。

-芸能人にも熱烈なファンの女性と結婚して幸せな人もいますね。

シェフ:はい。私も幸せです(笑)。

■酷評に肩を落とすことも…

-取材を前に調べたら、おいしいという評判が多かったのですが…

シェフ:いいえ!とんでもない。評価はピンキリでいろいろです。もう~、いっぱいありますよ。「あんまり良くないから絶対行くな!」っていうのもあります。結構ショックです笑)。

綾子さん:そうなんです。もう、いろんな評価があって、本当に酷評されているのもあります。主人は本当に繊細なので、よくへこんでいます。「評価は人それぞれなんだからね」って、よく励ましています(笑)。でも、それをバネにして頑張ってほしいです。

-かなりデリケートですね()。これから、どんな店を目指しますか?

シェフ:それはもうレストランですから、来ていただいた皆さんが、お帰りのときには笑顔になれるような店でありたいですね。普段の食事に来られる方にも、特別な日の食事の方にも、どちらの方にも満足してお帰りいただくことを目指しています。なかなか全部の方に満足してもらうことは難しいですが、それでも目指すことは意味があると思っています。とは言え、お客さまとの相性もありますからね。いつも自問自答です。

-確かに相性はありますね。主にどんな年齢層の方が多いですか?

シェフ:30代から70代かな?特に40代から60代の方が一番多いですね。

-男女比ではどうですか?

綾子さん:女性が7割ですね。

シェフ:日によっては女性しかいません。

■カルパッチョから始まった人気サラダ

-今回のお薦め料理「地魚と地野菜のサラダ」は創業時からですか?

シェフ:いえ違います。最初はカルパッチョみたいな感じでしか出していませんでした。そこに野菜をちょっと添える程度。長崎では地元のいろんな野菜や魚がそろいますので、どうやったらその素材を生かしておいしく食べられるかと考えました。

■凝り性とアイデアから生まれた逸品

-なるほど。元来の凝り性が本領発揮したのですね。

シェフ:そうです笑)。そして、いろんなところからアイデアをいただいて、それぞれの野菜に味付けして、それを一つの皿で表現するという形で出来上がったのが、このメニューです。

-料理というのは確かに表現方法の一つですよね。地魚と地野菜ということは、長崎で採れるものでそろえていらっしゃるということですか?

シェフ:そうですね。そこにこだわっています。

■素材の一つ一つにこだわって味付け

-差支えない範囲で、このメニューの秘密を教えていただけませんか?

シェフ:例えば、ナスはちょっと塩と砂糖と酢を使ってマリネにしたり、キンカンのピクルスを添えたり、レンコンに彩りを添えるために赤キャベツの色を使ったり、ビーツの酢漬け、まあピクルスですね。こんなところを地元の素材を生かして表現しています。

-料理って、結構頭使いそうですよね?

シェフ:そうですね。頭もですが、神経を使います。

-ところで入り口のメニューボードは、奥さまが書かれるのですか?

綾子さん:はい。今は私が書いています。

■ワインも徹底して「自然」にこだわる

-人気のメニューといえば、やはり先ほどのサラダですか?

シェフ:あのサラダは7割のお客さまは注文されますね。

綾子さん:やはり口コミで「サラダを食べてみて」というのが広がっているようですし、お店を紹介していただいた常連さんが「サラダは必ず注文してね」と言っていただいていることもあるようです。ありがたいですね。

シェフ:最近は、波佐見町にある「百笑会(ひゃくしょうかい)」というところと提携して、無農薬、減農薬の野菜を使っています。以前から無農薬にはこだわってはいたのですが、この会が提供してくれる野菜は本当においしいです。

■店の入り口なのにビーツや玉ねぎ、芋など料理に使う野菜が…

-やはりコース料理を注文する方が多いのですか?

シェフ:いいえ。コースは3分の1くらいですね。アラカルトで楽しむ方が多いですよ。

-山下弁護士に気軽に使える店だとご紹介いただきましたが…

シェフ:そうですね。リストランテだと高級店ですが、うちはトラットリアですから、気軽に楽しんでいただけるイタリア郷土料理の店としてフラっと立ち寄ってもらえればと思います。

■おすすめワインの一つ「Rosso del Veronese L'Arco」

-この店に初めて訪れる方に一言お願いします。

シェフ:何がお薦めですか?と気軽に聞いていただければ、お薦めをお伝えできます。コース料理で大体2時間くらいですから、お客さまが多いときでなければ、小さな店なのでゆっくり料理の話も楽しんでいただけるのではないでしょうか?できれば事前にお電話を頂いて、お客さまが少ないときに来てもらえれば、私の得意な分野の話ならゆっくりお相手できます。

綾子さん:お気軽に話しかけていただければ、料理と一緒に会話も楽しんでいただけると思います。ぜひのぞいてみてください。

-ところで気になっていたのですが、この自転車は?

私の通勤用の愛車で1978年製の「ウーゴ・デ・ローザ」というイタリアの自転車メーカーのものです。

-これも「ウーゴ」へのこだわりですか?

あまり関係ないです(笑)。ですがデ・ローザで通勤するのは本当に楽しいですよ(笑)。

■シェフの愛車は「ウーゴ・デ・ローザ」

-今日は開店前の貴重なお時間をありがとうございました。

シェフ:こちらこそ、ありがとうございました。

綾子さん:ありがとうございました。

仕事に真摯(しんし)に取り組む姿が自然に伝わってくる吉田シェフ。それを横で支える「元常連さん」で奥さまの綾子さんとの縁が、吉田さんのこれまでの努力を一気に花開かせたのだろう。取材後に話題のサラダを注文してみた。山下弁護士が絶賛する理由に私は心底納得できた。

次回の店はどんなところだろうか? また楽しみが増えたようだ。

紹介者・山下俊夫弁護士のインタビュー記事

◆trattoria UGO

営業時間:18時~。ラストオーダー23時30分。日曜定休

所在地:長崎市油屋町1番10号

電 話:095-829-2648

(文責・長崎経済新聞編集部 田中康雄)

【所在地は緑の矢印】


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