長崎市内のデザイン事務所「デザインスタジオ・ライトワークス」(長崎市興善町)が7月、「デザイン事務所らしくないホームページ」を公開した。
代表の川崎さんは1978(昭和53)年、長崎日本大学高校(諫早市)産業デザイン科(当時)を卒業して企業の宣伝部に就職。その後、広告代理店の制作部などを経て1990年、独立して同所を立ち上げた。今年で設立25周年を迎える。
川崎さんは「いろいろな人と出会って、いろいろな人と別れた。いろいろな仕事を請け負って、いろいろな思いも感じた。長いようで短く、短いようで長い25年だった。少しは大人になったような気がする」としみじみ振り返る。
今年1月、25年の節目に「何か記念に残せるもの」と思い立った川崎さん。「どこのデザイン事務所も、ホームページのデザインには当然センスを感じさせることに力を入れる。ならば、自分は思い切って徹底的に『らしくない』真逆のホームページを作ろう」と、親友で「本業は超真面目なシステムエンジニアなのに、面白さにかけては右に出るものがいない」と川崎さんが太鼓判を押す「T斉藤」さんに制作を依頼。仕事の合間を縫って川崎さんの事務所のホームページリニューアルを少しずつ手掛けた斉藤さんは7月半ば、「未完成だけど、公開しちゃえ」と公開に踏み切った。
トップページの背景写真は、おいしそうなアイスクリームを前に、帽子をかぶりながら苦虫をつぶしたような目で見つめる川崎さん。「プロフィール」「作品(ワークス)」「コンタクト」「ムービー」「ブログ」「フェイスブック」などのメニューリンクが並ぶ。プロフィールやムービーをクリックすると、斉藤さんが演出したユーチューブ動画が隠されている。コンタクトをクリックすると、ワインを立ち飲みしている川崎さんが現れ、川崎さんに接触する方法が「3コース」用意されている。「個人的には、ぜひ方法1に挑戦してもらいたい。でもハードルがかなり高いので、今のところ誰も成功していない」と斉藤さん。
斉藤さんは「川崎さん自身、クオリティーが高いデザイナーだが、とてもデザイナーに見えない人。だから『らしくない』ことに徹底的にこだわった方が川崎さんの『どろ臭さ』が伝わると思った。手前みそだが『確かにデザイナーが作っているな』と感じさせる部分と、『何だ!これは?』『ふざけているのか』という部分を絶妙にバランス配合している。決してふざけているのではなく、真面目に遊んだだけ。全体的には未完成なので、気が向いたらコンテンツを追加したい」とも。