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長崎の貸本店が1日限定「臨時開店」 豆本作りワークショップも 

Rueさん(中央の女性)

Rueさん(中央の女性)

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 2010年に休業した「本村貸本店」が8月16日、1日限定で「復活」する。

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 2012年5月13日に94歳で亡くなった故・本村満子さんが病床に伏して2010年に休業するまで、およそ37年間にわたって運営した同店。駄菓子なども販売しており、地元の子どもたちの「オアシス」として長年親しまれてきた。

 満子さんは若いころ佐世保に住んでおり、海軍基地にいた本村寅雄さんと知り合い結婚。海軍少尉だった夫の寅雄さんは広島県呉市にある潜水艦学校で教官を務めたこともある。一家は長崎半島の野母崎に住んでいたが、戦後はタンカーの乗組員として活躍した寅雄さんが定年退職を迎えたことを機に日の出町方面に引っ越した。

 専業主婦だった満子さんは経営の経験は全くなかったが、「子どもたちのために」と貸本店を開くことを決意。貸本店経営に関するさまざまなことを学び1973(昭和48)年に開業した。貸本だけではなく駄菓子の販売も行っていたため、近隣の子どもたちを中心に「本村貸本のおばちゃん」として地域の人たちに愛されてきた。店の前の道路はバイクくらいしか通行できないほど狭いが、かつては大浦北小学校(2007年廃校)の通学路。朝夕は子どもたちの元気な声であふれていたという。

 満子さんの孫に当たる本村公一さんは現在、日系企業に所属してバングラディッシュ・ダッカで勤務する。同店の復活を望む人たちの声に応え、満子さんが亡くなった年の8月14日・15日、初盆に満子さんを偲ぶ限定オープンイベントを行い、昨年9月にも公一さんの帰国のタイミングに合わせて限定オープンイベントを行った。これらのイベントには同店が営まれていた当時を知る人たちや地元の子どもたちなど、多くの人が集まって短い復活を楽しんだ。

 「今年も帰国したかったが、仕事の都合でどうしても難しい。私に代わって長年の友人でもある吟遊詩人のRueさんが一日店長を引き受けてくれた」と本村さん。当日はコミック本が無料で読める(店外貸し出しは不可)ほか、Rueさんが得意とする「豆本ワークショップ」(参加費500円)も行う。

 「祖母が生きていたころは、およそ7,000冊のコミック本があったらしい。傷みが激しいものもあり、かなり処分したが、それでも数千冊は残っている。いつも『懐かしい』という大人の声と、新鮮な目で見つめる子どもの目とのコントラストが面白い」と本村さん。「せっかく祖母が残してくれた資産を生かしたい。今回は、古いものを新しい形で生かす試みの第一歩。天国の祖母も喜んでくれていると思う」とも。

 営業時間は11時~16時ごろまで。

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