長崎市内のガン患者の会「四葉のくろーばー」(長崎市元船町、TEL 095-828-7667)が製作していた紙製の「ミニ門松」120個が完成し、病床で新年を迎える患者らにプレゼントされた。
同会はガン患者、ガン経験者で作る親睦会。代表の藤田つたえさん自身もガンで闘病生活を送った経験を持つ。年末に病床にいるガン患者らにボランティアで紙のミニ門松を届ける活動を5年前から行っている。
「前回の記事(12月14日配信)で予定を160個と言ったが、実際には120個に留まった」と話す藤田さん。27日に配布する予定も多忙により28日にずれ込んだ。「市民病院や原爆病院、医師会など回ってきた。ほかにもガン支援センターや個人の医師からも患者に届けたいと希望され配った。どこでも大変喜んでもらった」と微笑む。
配る過程では毎年いろんなドラマに遭遇するという藤田さん。「元気な人が自宅に帰宅していく中、病室にポツリと残される患者の気持ちが経験者としてよく分かる。中にはいつまでも手を握って放さない人もいる。うれしくもあり、哀しくもあり、いろんな気持ちが交差する場面。いい意味で良き体験をさせてもらっていると思う」と振り返る。
終末期を迎えた人から「絶対に(この活動を)絶やさないでね」と逆に励まされたこともあるという。「年齢に関係なく誰でもいずれ行く道。この一期一会を生きている実感に変えて、生きている足跡を残す活動だと思う。門松を渡す人も受け取る人も、ペタ(ブログの訪問履歴)を付け合うぐらいに思って、来年また元気に会いましょうと笑ってもらえたらうれしい」と藤田さんは2010年を締めくくった。