平和町商店街(長崎市平和町)で4月23日、町歩きしながら妄想するイベント「あったらいいな こんなまち」が行われた。
福岡を拠点に活動する架空の不動産会社を名乗る市民団体「アナバ不動産」のメンバーを招いて行われた同イベント。同団体は街を歩きながら「ここがこうなっていたらいいな」と妄想しながら、日常では気づかない街の魅力を発見するイベントなどを手掛けており、最近では地方自治体からもその活動が注目されている。
13時、デジタルカメラやスマホを手にした参加者らが平和町公民館に集合すると、注意事項などの説明を受けた後、町歩きを開始。小雨が降る中、複数の班に分かれ、それぞれグループワークを行いながら、同商店街のさまざまな場所を撮影した。夜に発表会が行われるため、参加者らは撮影した町並みの写真に妄想しながら下絵を書き込んでいった。
18時、再び公民館に集まった参加者らは、商店街の各店から持ち寄られた食事を楽しんだ後、班ごとに発表を始めた。「思い切り妄想してください」という言葉に刺激され、発表内容はいずれも奇想天外。
隣接する平和公園のエスカレーターを「国際ハイタッチ通り」と名付けて、外国人観光客などとすれ違いざまに、笑顔でハイタッチする場所にするものや、商店街の周囲を流れる川の両側にハンモックを架けて、「スリリングな昼寝場所の提供」など笑いを誘うものばかり。中には医療ビルの写真に、はしごやロープの絵を描き加え「インディー・ジョーンズ・ビル」と勝手に命名するものなど、最後まで会場は笑い声に包まれた。
平和町商店街振興組合の城尾昭寛理事長は「あくまでも妄想だが、どれも素晴らしい。ぜひ柔らかい発想で商店街を活性化したい」と笑顔を見せる。同商店街では5月15日まで、商店主らが職業上で体得したノウハウなどを一般に伝える「まちゼミ」が開かれている。