雲仙・長崎間で「ふんどし飛脚便」

商品を届けたふんどしマン(右)

商品を届けたふんどしマン(右)

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 佐世保市出身の東京大学大学院生で「ふんどしマン」こと野田貴志さんが6月27日、イベントに出場するため滞在中だった雲仙から「飛脚姿」で長崎市内の購入客にふんどしを届けた。

雲仙を出発するふんどしマン

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 野田さんがふんどしに興味を持ったのは1年半ほど前。アート系の大学に通う友人に頼まれて「ふんどし姿」に挑戦したことがきっかけ。作品テーマは「ふんどしがある日常」。野田さんを含めた数人がふんどし姿で日常を送り、周囲のさまざまな反応も含めて全体が作品になるというもの。ふんどしを初めて着用した野田さんは爽快感に魅了されたという。

 その後も「ふんどし姿」で日常生活するようになった野田さん。当初は周囲の人たちも驚いたが、仲間とともに「ふんどし一丁」でごみ拾いなどのボランティア活動などを続けた結果、現在ではすっかり「日常の風景」として近所に定着したという。「近くの交番に落とし物を届けた時も、おまわりさんは普通に対応してくれた」と話す野田さんは、1カ月ほど前に友人らと「株式会社ふんどし部」を設立。自身も取締役に就任した。

 野田さんは熊本地震の影響で観光客が激減した雲仙の温泉街を盛り上げようと6月26日に開催された「ふんどし de なべブタっ球 in 雲仙」に出場。同イベントは、かつて温泉旅館での娯楽の定番だった「卓球」を、鍋蓋を使って行うもの。ふんどし姿で行われる「一風変わった卓球」として地元のテレビ局でも取り上げられた。

 イベント終了後、野田さんは「ふんどし部」で販売した商品の特典として「ふんどし飛脚便サービス」を選択した長崎市内の購入客宅まで「ふんどし姿のまま」徒歩で配達する計画を実行。雲仙を出発して佐世保市の実家まで走って帰省する途中、長崎市に宅配する予定だったが、最近になってひざの半月板を損傷して思うように走れず、雲仙の山中を移動する途中で暗くなった。30キロほど走った諫早市内では警察官から職務質問されるハプニングが発生し、野田さんはパトカーに保護されJR諫早駅まで移動。終電で長崎駅まで移動し、同駅から2キロほどの場所にある蛍茶屋電停近くの購入客に無事「ふんどし」を届けた。

 「いろいろあったが無事届けられてほっとした。でも100キロ走破する予定だったが30キロほどで断念したのは悔しい。トライアスロン選手でもある父は『佐世保まで走って帰って来い』と言っているが、計画が崩れて時間がなくなったため残念ながら電車で帰る」と振り返る野田さんは、ふんどし姿のまま手を振りながらJR長崎駅から佐世保行き電車に乗った。

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