長崎ブリックホール(長崎市茂里町)会議室で8月11日、小学生とその保護者を対象にした講座「親子で学ぶアンガーマネジメント in 長崎」が開催される。
アンガーマネジメントとは、怒りの感情(アンガー)と上手に付き合うための心理トレーニング(マネジメント)を意味する手法で、1970年代に米国で開発された。同講座では小学生の子どもとその保護者が、それぞれ別室でアンガーマネジメントを学ぶ。
主催する一般社団法人日本アンガーマネジメント協会九州支部で副支部長を務める川嵜昌子さんは「アンガーマネジメントを学ぶと怒りに振り回されずに過ごせるようになる。怒りを我慢するのではなく、上手に自分の気持ちを伝えて人の気持ちも理解しようとすることで、よりよい人間関係が築ける。親子で学ぶと親子の関係もよくなる」と説明する。
同協会認定講師で今回の講師を務める北野智子さんは、児童自立支援施設で心理療法を担当する現役職員。現在中学3年生と5歳の子どもがおり、子育てのイライラに振り回されていた数年前にアンガーマネジメントを知った。「学ぶ前は、大人だから我慢しよう、親だから我慢しようとして結果的にたまった怒りを子どもにぶつけ後悔ばかりしていた。今では『ここを超えたら怒るからね』と子どもに境界線を示すことで理解してもらえるようになり、楽になった」とほほ笑む。
保育士の徳永和さんも認定講師を務める。現在6歳になる徳永さんの子どもが2歳のころ、初めての子育てに加えて仕事が変わったこともあり、無意識のうちに怒りを子どもにぶつけていたという。「ある日、私がただ大きく息を吸っただけなのに、その様子を見た子どもが怒鳴られると思った恐怖でびくっと身を震わせた。それを見て『すぐに変わらなければいけない』と思った」と振り返る。アンガーマネジメントを学んだことで、「なぜ自分が怒っているのか」と考え、子どもに気持ちを伝えられるようになったという。
同協会ではアンガーマネジメントを大人向けに教える「アンガーマネジメントファシリテーター」資格に加え、子ども向けに教える「アンガーマネジメントキッズインストラクター」資格を設ける。川嵜さんは「自分自身のために子ども向けの資格を学んだ後、大人向けの資格を取得する人が多い」と話す。結婚式の司会をしながら11歳と3歳の子どもを育てている高橋佳子さんは、「子どもに怒りをぶつけたくない」と子ども向けの資格を学んだ後、「自分と同じように悩んでいる人に伝えたい」と大人向けの資格を取得した。
川嵜さんは「今回の講座では長崎在住の認定講師たちが、怒りの仕組みや上手な怒りへの対処法などを自分たちの子育て経験も踏まえながら伝える。特に子ども向けはゲーム感覚で楽しく学べるので、ぜひ参加してほしい」と呼び掛ける。
開催時間は11時~12時と14時~15時の2回。参加費は大人=前売り1,000円、当日1,200円、子ども=同500円、同600円。