市立桜馬場中学校近くにある高齢者介護施設「エフ・ステージ桜馬場」(長崎市桜馬場)で9月18日、健康漫談家・長崎角栄さんの「爆笑ライブ」が開かれる。
長崎大学経済学部近くで糸山ネーム店(西山2、TEL 095-822-2475)を営む糸山喜久雄さん(63)は、26歳の時に同店を開業した。以来37年間、職人として刺しゅうやネーム入れ作業に従事する傍ら、「健康漫談家」として県内の高齢者施設や福祉施設を訪問。故・田中角栄元首相のものまね「長崎角栄」に扮(ふん)して観客を笑わせながらストレッチ体操を伝授するなど、「健康」をテーマにした講演を行っている。
糸山さんによると、35年ほど前に田中元首相を偶然見かけ、「やっぱり天下を取る人は貫禄が違う」と感じたという。それ以来、意識して元首相の情報を集めるたびに人間性や生き方に深い感銘を受け、元首相の独特の口調を「ま、しょの~」とコミカルにまねして結婚式の余興などで披露するようになった。
糸山さん演じる「長崎角栄」は口コミで広がり、公共施設や自治会、福祉施設などからの講演依頼が続いたため、8年ほど前から仕事として引き受けるようになった。活動の様子は地元の新聞やテレビで紹介されたほか、2013年2月にはテレビ東京の番組「モヤモヤさまぁ~ず2」で全国放送された。これまで公共施設などで講演した数は100回を超える。
8月28日、西山水源地近くにある木場公民館(木場町)で開かれた「木場納涼まつり」に出演した糸山さんは、司会者の紹介を合図に会場後方から「どうも、どうも」と独特のだみ声を発しながら真っ赤な衣装で登場。「本日はかくも大勢の方にお集まりいただきありがとうございます。ざっと500人ほどでしょうか」とあいさつし、参加した約30人の住民を前に熱弁を振るった。
糸山さんは「会場ごとに雰囲気が異なり、300人のホールと小さな公民館では全く違う。生ものなので、最初は手探りしながら会場の雰囲気をつかむ」と話す。木場公民館でも最初の数分で雰囲気をつかみ、住民らを少しずつ自分のペースに巻き込んだ。
「皆さん。外のそうめん流しの準備が気になるでしょうけど、まだまだ終わりませんよ」。高齢者に混じり、子どもや若者たちも糸山さんのペースに巻き込まれて笑う。60分間の講演は大きな拍手を受けて「あっという間に」終わった。
「最近、田中角栄さんの本や雑誌がたくさん出版されていることは大変うれしい」と糸山さん。「9月は3件ほど講演依頼がある。子どもたちが意外と喜んでくれるのが不思議。ものまねを通じて、高齢者には笑いながら健康法をマスターしてもらい、若い人には『何だか面白いおじさん』として知られれば」とも。
「爆笑ライブ」は同施設の10周年記念イベントの中で開催されるもので、講演時間は13時~14時50分(予定)。参加無料。