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長崎に「和」テーマのチョコレート専門店

左から前田真子さん、大川未来さん、喜多奈々美さん

左から前田真子さん、大川未来さん、喜多奈々美さん

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 中通り商店街・4番街に9月15日、「和」をテーマにしたチョコレート専門店「加加阿(かかお)伝来所」(長崎市諏訪町)がオープンした。

加加阿伝来所の外観

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 同店を運営するのは、冠婚葬祭やホテル・飲食事業を展開するメモリードグループ(西彼長与町)の「チョコレートハウス」(佐世保市ハウステンボス町)。「加加阿伝来所」の看板をはじめ、店内は「和のイメージ」で統一。店の奥には3テーブル6席の小さなカフェがあり、カフェの奥はガラスで仕切られた小さな和風庭園が広がる。客をもてなす女性スタッフらも、全員「和装」という徹底ぶり。家紋を思わせるようなロゴマークには、実際に使われていたチョコレートの当て字「千代古」が書かれている。

 1797(寛文9)年、長崎の歓楽街であった丸山町、寄合町の記録「寄合町諸事書上控帳」内の記述に、大和路という名前の遊女が出島のオランダ人からもらった品物に「シヨクラアト 六ツ」と記録されている。これが史料に記録された日本で最初のチョコレートといわれ、当時のシヨクラアトは現在のような菓子ではなく、非常に高価な飲料だったという説もある。長崎は日本のチョコレート伝来の地であり、中通りが江戸時代中期から商店街として栄えていることから店のコンセプトが決まったという。

 「和」にこだわった店内の陳列棚には、「シヨクラアト」の再現をイメージしたチョコレートドリンク「シヨクラアト」(1本220円)や、円筒形の茶筒風紙容器に入った抹茶風味の「ピュアチョコレート」がズラリと並ぶ(780円)。中には同社とハウステンボス、長崎豊味館(佐世保市)の3社がコラボ開発した、チョコレートと角煮のレトルトカレー「チョコリー」(880円)も用意する。

 基本的なチョコレートは「アーモンドチョコレート」「クリームチョコレート」「ティラミスチョコレート」「スイートチョコレート」「ミルクチョコレート」「ココアボール」の6種類と、アーモンドを除く5種類を詰め合わせた「ミックス」。小パッケージ(400円)と、大パッケージ(800円)を用意する。

 「スイートチョコレート」はカカオ分が高めで、甘さを控えたチョコレート。店長の原山誠さんは「パッケージを開くとカカオが香り、味はビター風味。商品名はスイートだが甘いチョコが苦手な人におすすめ」とほほ笑む。

 店の入り口付近の冷蔵ショーケースには、1個250円の「和のボンボンショコラ」。梅リキュールを使った「青梅」、和の伝統調味料を組み合わせた「味噌(みそ)」、ミルクチョコレートとキャラメルのガナッシュに大吟醸を使用した「日本酒」、柚子(ゆず)果汁を使った「柚子」、無添加の島原産しょう油をガナッシュと合わせ、ミルクチョコで包んだ「しょうゆ」の5種類と、生チョコレートが並ぶ。5個入りパッケージ(1,250円)は、紙箱の絵柄を「和柄幾何学模様」「江戸時代の長崎港」の2種類を用意する。

 来店客の大半は女性。一部の商品は試食も用意されており、「試食いかがですか?」の呼び掛けに、思わず顔をほころばせながら手を伸ばす人も。「和のボンボンショコラ」パッケージ(5個入り~12個入り)は、主に観光客やギフト目的の客が次々に買い上げた。

 原山店長は「オープンしたばかりなので、まだまだ試行錯誤の連続。長崎の和華蘭文化の一端を、和とチョコレートの融合で活性化できればうれしい」と話す。

 営業時間は10時~18時。

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