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長崎で対戦型教材「社長BOKIゲーム」 小学生も1時間で決算書が書けるように

「いいね」と話す竹田陽一さん

「いいね」と話す竹田陽一さん

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 出島交流会館(長崎市出島町)で9月24日・25日の両日、小学生でも1時間後には決算書が書けるようになる対戦型社会体験教材「社長BOKIゲーム」の体験会が開催される。主催はアズサポート(出島町)。

長崎初開催時の風景

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 同ゲームを開発したのは、税理士で公認会計士の柴山政行さん(東京都在住)。「日本一やさしい決算書の読み方」(プレジデント社刊)、「半分売れ残るケーキ屋がなぜ儲(もう)かるのか」(幻冬舎刊)など、簿記・会計に関する多数の著書がある柴山さんは、簿記の技術とビジネスやお金の仕組みが学べるプロジェクト「キッズBOKI」(小学4年生~6年生が対象)を運営する。

 主催するアズサポート代表で、ゲームトレーナーの下釜綾子さんは「非常にシンプルだが奥が深く、一度体験すると子どもから大人まで夢中になる人が多い。数字が苦手な人でも数字アレルギーが解消できるほか、小学生でも1時間後には決算書が書けるようになる」と話す。

 同ゲームは1グループ4人前後で対戦。使う紙幣の呼称は開発者の名前に由来して「シバ」と呼ばれる。参加者全員が「ケーキ屋の社長」になり、ゲームの冒頭で全員に1,000シバが与えられる。そのうち400シバは手持ちの「資本金」、600シバは銀行からの「借入金」として処理される。内訳を「元帳・第1期」に手書きで記載した後、ビジネスを始めるために最初の店舗を購入する。価格は200シバ。

 「仕入れカード」を引いて「仕入れ単価」が決まり、1店舗当たり1回の取引限度はケーキ50個まで。仕入れ単価は「3シバ」「4シバ」「5シバ」「7シバ」の4種類があり、「売り上げカード」の売上単価は最低(6シバ)から最高(10シバ)まで同じく4種類を用意する。ほかにも「意思決定」「運試し」のカードがランダムに交ぜられており、意思決定には「店舗を増やす」「店員を雇う」「保険に入る」など、設備投資やリスク回避のオプションを用意。店舗や店員を増やせば投資した現金は減るが、1回当たりの取引個数が増えるためゲーム展開が有利になる。

 「運試し」を引いた人は、対戦相手のうち誰かを指名して「じゃんけん」しなければならない。負けた人は「盗難」によって300シバが失われ、勝った人は同額を「賞金」として得る。事前に「保険」を購入すれば盗難の損害を免れるが、購入できるチャンスは「意思決定カード」を引いた時だけ。

 下釜さんは「参加した子どもたちは『店舗を増やすか、店員を雇うか。それとも保険に入るか』と、腕組みしたり目をつぶったりしながら真剣に悩む。店舗を増やした直後に盗難に遭い、『やっぱり保険に入ればよかった』と真剣に悔しがる姿を見るのが楽しい」と笑顔を見せる。

 「ランチェスター経営がわかる本」などの著者として知られる「ランチェスター経営」(福岡市)社長の竹田陽一さんと交流がある下釜さんは「竹田先生にゲームを見ていただいたところ、『いいね!』と太鼓判をいただいた。ぜひ九州全域に広げていきたい」と意気込む。

 キッズと親子参加コースの開催時間は、24日14時~16時30分と25日10時~12時30分。よりビジネスの実践に則した「大人限定コース」は24日18時~20時30分と25日13時30分~16時。定員は各回20人。参加無料。

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