長崎の観光名所・グラバー園（長崎市南山手町）で12月3日、長崎玉成高校（長崎市愛宕1）生活技術科の女子生徒たちが製作した衣装を、お笑いタレント「スギちゃん」がテレビ番組の生放送で着用した。

生放送中のハプニングシーン

　同校の生活技術科には全学年合わせて約60人の女子生徒が所属する。生徒たちには「長崎をイメージした、スギちゃんが着る衣装」というテーマが与えられ、約100点のデザイン画が集まった。審査の結果、1年生がデザインした作品が採用され、2年生と3年生から選抜されたプロジェクトチームが製作に取り組んだ。

　生放送されたのは、全国のケーブルテレビや「スカパー！」などで放送されている「旅チャンネル」の特別番組「長崎ぶらぶら好き 生スペシャル！」。「長崎ぶらぶら好き」は、オーボエ奏者でタレントの「いっちゃん」こと市原隆靖さんと、長崎の歴史研究家・山口広助さんが街をぶらぶら歩きながら「観光マップなどには載っていない路地裏探検をする」という長崎ケーブルメディアの人気番組。番組ホームページから歩いた経路の地図をダウンロードできる。

　「生スペシャル」では、生放送中にスギちゃんが生徒たちの手作り衣装に着替えるというシーンを用意。同日9時から長崎を紹介する旅番組を集中放送した後、14時からグラバー園の生放送に切り替えた。

　市原さんと山口さんは生放送開始直後からグラバー園を目指して市内中心部から「街ぶら」をスタート。スギちゃんは衣装を着替えるため、生放送の途中でいったん離れて再登場。光沢ある衣装は前面に龍踊り（じゃおどり）をあしらい、背面には出島形のカステラを配置した。

　スギちゃんが着替えて登場すると出演者らは大きなリアクションで驚き、後ろに控えていた生徒たちもスギちゃんと一緒にテレビ出演を果たした。スギちゃんに対抗して司会の高月晶子さんもレトロ調のドレス姿に、姫野順一・長崎外国語大学特任教授は坂本龍馬の衣装に着替える一幕も。番組終盤でグラバー園に到着した2人も加わり、大勢の観光客らが見守る中、生放送は無事終了した。

　放送後、女子生徒たちと記念撮影したスギちゃんは「着心地が良く優れたデザインの服を作る技術を持っていることが素晴らしい。ぜひ自信を持ってほしい。素晴らしい妹たちがたくさんできた気分でうれしい」と笑顔を見せた。

　期末試験を4日後に控えながら、先月25日の時点でも完成まで程遠かったプロジェクトメンバーに、げきを飛ばした同科主任の松山恵子教諭は「放送当日が期末試験終了日の翌日。試験開始直前までよく頑張ったと思う。間に合って本当によかった」と胸をなで下ろした。