茂木地区公民館(長崎市茂木町)で4月23日、「市長の地域説明会~地域コミュニティーの仕組み作り」が開催された。主催は長崎市。
同説明会は、田上富久・長崎市長が市民の前で自らプレゼンテーションを行い、人口減少や少子・高齢化など、取り巻く環境が大きく変わる共通課題を抱える各地域で「これからも暮らしやすい地域コミュニティーを形成するには、市役所と地域はどうあるべきか」について意見交換するもの。長崎市はモデルエリアに指定した茂木地区での開催を皮切りに、6月3日まで合計17回、市内各地での開催を予定している。
現在、約43 万人が生活する長崎市の人口は、2040 年には約33万人まで減少することが予測されている。わずか23年間で約10万人が消え、現在の人口の約4分の3まで激減するだけでなく、人口比率の約30%を14歳以下の子どもが占める時代から、60歳以上の高齢者が占める時代になることが調査で明らかとなっている。
長崎市は2005年に香焼町、伊王島町、高島町、野母崎町、外海町、三和町と、翌年には琴海町と、いわゆる「平成の大合併」を行っており、面積は合併前の約1.7倍に拡大。福岡市や熊本市などの大都市より広いエリアの行政を担わなければならない現在の長崎市役所は、人口減少社会に対応した新しい仕組み作りとして、市内全域を「中央エリア」「南長崎エリア」「東長崎エリア」「北長崎エリア」の4区域に分け、現在の支所と行政センターを統合した「地域センター」へ移行。「人、拠点、資金」の3つのポイントでサポートする「地域コミュニティー連絡協議会(仮称)」を創設する。
説明会で田上市長は「地域コミュニティーの仕組み作り」と「行政サテライト機能の再編成」、それぞれの視点から説明。参加した市民らとグループディスカッションを経て、意見交換を行った。
参加者からは「自治会への参加者が減少している。そこに住む人を、もっと地域コミュニティーに巻き込む必要がある」「課題は多いが、まず自分たちでできることに集中して、それを地域で実行する必要がある」などの意見が聞かれた。
田上市長は「明治以降、大きく増えた人口が、これからどんどん減少する局面へと突入する。今取り組まなければ(課題を)未来に先送りすることになる。自分たちでできることは、今取り組もう」と締めくくった。今後の開催予定は長崎市役所のホームページで確認できる。