長崎の整体院の看板犬がフェルトで「再生」 「本物そっくり」、地元で話題に

長田さん(左)とスタッフの山道理香さん

長田さん(左)とスタッフの山道理香さん

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 長崎の整体院「さくら整体」(長崎市大橋町)で今年1月に死んだ看板犬が現在、羊毛フェルトアートでよみがえり、通院客たちの間で「本物そっくり」と話題になっている。

生きていた頃のモップ

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 長田瑞江院長によると、約7年前に動物ボランティアを通じて動物管理センターから殺処分寸前だった一匹の犬を引き取ったという。

 長田さんは引き取った犬に「モップ」と名付け、愛情をもって根気強く世話をした。当初ガリガリに痩せておびえていたモップは、長田さんらにほえたりしていたが、共に生活するうちに少しずつ変化が現れ、半年もたたないうちになついてきたという。モップはその後、長田さんと一緒に通勤するようになり、同院の「営業部長」を務める看板犬として通院客たちの人気者になった。

 長田さんによると、年齢不詳で老犬と思われたモップは次第に発作を起こすようになり、死期が近いと感じていたという。今年1月20日、モップは長田さんらに見守られながら永眠した。同院のユーチューブチャンネルでは、生きていた頃のモップの動画が公開されている。

 羊毛フェルトアートは、死んだ後も思い出として残せるものはないかと考えたスタッフの荻野あゆさんが、知人で手作り作家の「ちまちま」さんに相談したところ、「看板犬だったから、看板として羊毛フェルトアートにしたらよいのでは」との提案を受けたという。

 ちまちまさんは、さまざまな病気が原因で引きこもりになった経験を持つ。ちまちまさんの母親が外の世界と触れ合うきっかけを作らせようと、ちまちまさんをフェルト教室に通わせたという。

 ちまちまさんは「完成まで約2週間、合計60時間ほどかかった。私の作品を通じて、ペットを亡くした人の悲しみが少しでも癒やされれば」と笑顔を見せる。ちまちまさんは個人や企業から手作り雑貨のオーダーメード製作を受けるほか、「ちまチク屋」としてイベント出店などを行っている。

 荻野さんは「久しぶりに来院した人の中には、モップが死んだことを知らずに驚く人も多い。これからも看板犬として通院する人たちを癒やしてくれれば」と話す。

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