長崎原爆資料館で「ながさき原爆記録全集」上映 NCM制作、ギャラクシー賞受賞

画像には被爆直後ながら笑顔があふれるが、アメリカによるプロパガンダ(政治的な宣伝)と思われる(写真提供=NCM)

画像には被爆直後ながら笑顔があふれるが、アメリカによるプロパガンダ(政治的な宣伝)と思われる(写真提供=NCM)

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 長崎原爆資料館(長崎市平野町)は現在、企画展示室で長崎ケーブルメディア(NCM)が制作したテレビ番組「ながさき原爆記録全集~アメリカ戦略爆撃調査団編総集編~」(上映時間=58分)を上映している。

番組内の映像の一部

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 番組の素材となる映像は、被爆の翌月以降に被害状況をアメリカが撮影したカラーフィルムで、日本国内では1970(昭和45)年に公開された。これまでにもテレビ番組などで数秒から数分程度放映されたことはあるが、合計11時間30分以上におよぶ映像を全て放映するのは同番組が初めて。NCMでは被爆70周年企画として2015年11月から同番組(放送時間=28分)を定期的に放送しており、アメリカが撮影したカラーフィルムの全カットを専門家の解説付きで紹介する。長野県、大阪府、熊本県などのケーブルテレビ局でも放送中で、今年4月から8月にかけては地上波民放の長崎放送(NBC)で「なんでんカフェmorning」のコーナーとしても放送した。

 アメリカが撮影したオリジナルフィルムは撮影者が異なる2種類があり、「海兵隊フィルム編」は1945(昭和20)年9月23日~11月10日にかけて撮影されており、約5時間の記録で全1121カット。長崎に上陸した米海兵隊が撮影したもので、被爆地以外に長崎市中心部や郊外の風景も撮影されている。「米国戦略爆撃調査団フィルム編」は同年11月5日~翌年2月4日にかけて撮影され、長崎部分は約6時間30分、全1364カット。米大統領令で日本全国の爆撃地を撮影したもので、長崎は特に丹念に記録されている。同番組は同じ映像部分の放送でも単に再放送せず、視聴者から寄せられた情報を基に新たな取材を行って再編集したものを放送している(最新版は毎週日曜20時から放送)。今年11月までに第38回放送を予定しており、以後も放送は継続する。

 「海兵隊フィルム編」は2016年第53回ギャラクシー賞報道活動部門で奨励賞を受賞。「米国戦略爆撃調査団フィルム編」は2017年第54回ギャラクシー賞の同部門で優秀賞を受賞した。同賞は放送番組に対する権威ある賞で、地上波放送局以外の番組が受賞することは極めて珍しいという。

 開館時間は8時30分~17時30分(入館は17時まで)。企画展示室への入場は無料。上映は10月27日まで。

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