長崎大学(長崎市文教町)東門前の県道沿いで11月10日16時10分から、ドライバーに早めのライト点灯を呼び掛ける「おもいやりライト運動」が行われた。
おもいやりライト運動事務局(横浜市)によると、交通事故が一番多く発生すると言われる時間帯(16時~18時)に、早めのライト点灯をドライバーに呼び掛けて交通事故を削減する同運動は、2010年9月に日産自動車が行った「ハローセーフティキャンペーン」の一環として初めて行われたという。「見るためだけでなく、見られるための光を」をスローガンに、歩行者とドライバーとの心の交流も目指す。同事務局では点灯時間の目安を日没の30分前としており、ホームページ上で全国を9エリアに分けた「目安時間」を毎月紹介している。
今回は大学教育イノベーションセンター准教授の成瀬尚志さんが呼び掛け、学生や大学関係者のほか、地元の交通安全推進協議会のメンバーなども参加。大学のすぐ近くにある浦上警察署に所属する警察官5人も合流し、総勢50人ほどがメッセージボードを手にしながら、長崎バイパス方面に向かうドライバーにライト点灯を呼び掛けた。
「お願いします」と、ボードを掲げながら車に声を掛けた参加者たちは、点灯した車に「ありがとうございます」と軽い会釈とともに返礼。ドライバーの中には笑顔であいさつを返す人の姿もあった。
17時に点灯呼び掛けを終了した参加者たちは全員で記念撮影を行った。17時30分からは成瀬さんと大阪大学の中村征樹准教授が司会を務めるトークイベントを「学生交流プラザ」で開催。テーマは「楽しさベースで活動の輪が広がり社会課題の解決につながるソーシャルアクション」。ソーシャルアクションの達人として、交通事故のない安全な社会づくりを目指す「あかね基金」の丸田敦史さん(故・丸田あかねさんの実兄)など4人のゲストが登壇し、それぞれの取り組みを紹介した。
成瀬さんは「ソーシャルアクションの一環として『おもいやりライト運動』を呼び掛けたところ、予想以上の人たちから協力をいただいた。学生からも、ほかの参加者からも『楽しかった』という意見が多かった。たとえ互いの価値観が違っても、楽しいアクションを通じたコミュニケーションが成り立つことは意義深い」と話す。