カフェ「ブック船長」(長崎市古川町)で5月19日から、長崎のZINEの愛好家グループ「チョージン」が作品展を開催する。
「ZINE」は雑誌の意味を持つMAGAZINEが語源で、個人の関心や趣味を自由に表現し、作り手の世界観に触れられるアメリカ西海岸発祥の個人出版物。
「チョージン」は長崎に暮らす人を中心に、ZINEの愛好家が集まったグループで、デザイナー、ライター、イラストレーターを中心に本職でものづくりに関わる人たちが多く在籍する。グループ名は、長崎の「長」から名付けた。
「チョージン」の主催者でコピーライターの村川マルチノ佑子さんは「最初にZINEと出合ったのはCDや本を扱うセレクトショップ。スケートボードで滑っている写真をただホチキス留めしたもので、プロの写真家や編集者が関わらず、印刷所で印刷されたものでもなかった。『そんなのアリなんだ』と驚いた」と振り返る。
その後、自分でもZINEを作って知人と楽しんでいたという村川さん。6年前に福岡・天神で行われたZINEイベント「10zine(テンジン)」に行き、「これを長崎でもやってみたい」と思ったという。
「ZINEを作ったはいいが、取り扱ってもらえる書店が見つからず、機会を伺っていた。そんな時にブックカフェの『ブック船長』がオープンしたと知り直談判した。ぜひやってくださいと、快諾していただき今回の作品展開催にこぎ着けた」と村川さん。
出展者の一人でグラフィックデザイナーの中村圭太さんは「今回の私のZINEは路面電車がテーマ。単純に電停名の案内表示をデザインしてみたかったため、やってみた。せっかくなので子どもを連れて一緒に路面電車の旅に出てストーリーも入れ込んだ」と笑顔で話す。
村川さんは「ZINEは自由度の高い本。印刷会社に印刷に出す人もいれば、コンビニのコピー機で作る人もいる。全て手書きにこだわる人もいれば、イラストや写真だけで作り上げる人もいる。他の人に見られることで成立するZINE。ぜひ見に来てほしい」と話す。会場ではZINEを一冊300円から販売も行う。
開催時間は10時~19時。入場無料。5月27日まで。