長崎初となる「4技能個別英語塾エルフアカデミー」が11月1日、長崎築町に開校した。
「4技能」とは、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングを指し、文部科学省は学校英語教育改革の方針で従来まで行ってきたリーディングとリスニングの2技能重視から4技能重視へ移行することを示している。同アカデミーでは、長期間英語圏に在住した経験のある日本人バイリンガル講師による個別・少人数制指導を採用し、この方針を見据えた総合的な英語力を身に付けることを目指しているという。
校名となっているエルフ(ELF)とは、English as a Lingua Franca(リンガフランカとしての英語)の頭文字で、リンガフランカとは、母国語の異なる人々が共通語として用いられる言語という意味を指す。長崎市出身で2017年まで英国内にある大学院に留学していた松本拓土さんが同塾長を務める。
松本さんは「リンガフランカとしての英語は、国家という枠組みを超えたコミュニケーションがこれまで以上に活発になってきている21世紀の新しい時代の流れを象徴しており、一人でも多くの日本人に21世紀の国際語としての英語を身に付けてほしいという思いから名付けた」と話す。
渡英前から卒業後は国連に就職するか英語教室を開くという2つの夢を持っていたという松本さん。留学中に所属していたサークルで外国人に日本語を教える活動を行っていたとき同校で講師をしている山中拓磨さんと出会ったという。
「英語力が高い山中さんと一緒にいることで、英語力の高さを長崎の子どもたちに伝えたいと思うようになり、日本の国際化の先駆けであった地元・長崎の地で英会話教室をしたいという思いが強くなった」と話す松本さんは「英語教育改革が行われると一般入試の科目から英語がなくなり、英検やTOEICが重要視されてくる。これらの検定では『話せる・書ける』という高い英語力を持つ教員でなければ教えることが難しい。現状は英語力が足りない先生が教えているため、難易度が上がる試験に対応していくことが難しい。今後は論文・プレゼンなども出来るような英語力がより必要となってくるのではないか」と予測する。
山中さんは「だからといってこれまでの英語教育が否定されるものではない。重要視されるポイントがインプットから『英語力=きちんとした文章を書けるか』というアウトプットに変わってきており、特に中学校で習う英文法は英語力を身につける上で必須となる」と話し、「英語を母国語と話す人と日本語を母国語と話す人では伝え方が違う。外国語として英語を学ぶ時の正しいアプローチをバイリンガルとして日本人の観点から教えていきたい」と思いを話していた。
「子どもに英会話が好きか聞くと『好き』と答えるが英語という学問が好きなのではなく、コミュニケーションが楽しくて好きなだけで理解していない子が多い」とも話し、「中学校になるとテストの点数が取れなくなるなど、難しいと思われ、好きな子がとどんどん減っていくのが現状。英語を得意にしてもらうことで嫌いにならないようにしたい。実力を付けさせることで好きだと思ってもらいたい」と意気込む。
同校では3つの教室でマンツーマンから6人までの少人数指導に対応し、小・中・高校生向けのコースをはじめ、大学生や社会人などそれぞれのスキルに合わせて受験向けの英語や英会話も教える。無料体験も。
開校時間は火~金曜日は14時~22時。土曜日は10時~18時。授業料は9,000円/月~。日曜・月曜定休。