国立大学法人長崎大学(長崎市文教町)で12月19日、同校と日本航空との連携に関する協定の締結式が行われた。
協定は、人的・知的資源の交流と活用を図り、教育・研究などの分野で相互に協力し、地域社会の振興と発展を目指すもの。教養豊かな国際人材育成に寄与することも目的としている。
この日、同校学長の河野茂さんと同社九州・山口地区支配人の溝之上正充さんが協定書に署名した。河野学長は「まずは本学の学生の留学や外国人留学の受け入れなどで連携していくことを考えている。2020年に開講予定のIT系学部の定員110人のうち10人程度の外国人留学生招致を見据えて、インドなどの情報提供をお願いするなどネットワークを活用させてもらいたい」とし、「将来的には学生と県内企業との産学連携である長崎ブレイクスループロジェクトにも参画してもらうことで、地域活性化へつながれば」と話した。「大学の理念の一つでもある教養豊かで国際的な長崎大学ブランド人材の育成につなげていきたい」と意気込みも。
溝之上支配人は「管轄する九州・山口地区の大学との連携協定は8校目、国立大学としては琉球大学に続き2例目となる。九州は移動手段として航空業界が重要な地域。交流人口が増えるためには地域が元気であることが大切なのできっかけになれば」と話し、「従来の連携協定はキャリア教育主体だったが、今回はグローバル推進が目的でこれまでにない新たな取り組み。中長期的な取り組みになるが、よりグローバルな人材育成に向けて協力していきたい」と意気込む。
長崎大学では、産学官の連携でアジアの青少年が日本を短期に訪問し科学技術の分野で日本人と交流を深める科学技術振興機構(JST)「日本・アジア青少年サイエンス交流計画(さくらサイエンス)」の支援を受け、外国の高校生に大学へ来てもらう取り組みなども行っており、今後は日本航空とも連携していきたいという。
グローバル連携機構の松島大輔教授は「日本の食品を海外に売り込んでいくプロジェクトの中で、職員やラウンジなどに提供することでテストマーケティングを行ったり、医療などのサービスの中に日本航空式のおもてなしや接遇などを取り入れたりするなど、実務的な部分でも協力体制が取れるのではないか」と期待を寄せる。
連携協定は1年間で自動更新していくといい、人材育成などを通して中長期的な地域の活性化につながることが期待される。