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長崎県美術館でJOJO展 「人間が存在する素晴らしさ」テーマに独特の世界観紹介

「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」のエントランス

「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」のエントランス

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 長崎県美術館(長崎市出島町)で1月25日から、「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」が行われる。

記者会見で展覧会への意気込みを話す荒木飛呂彦さん

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 荒木飛呂彦さんは1960(昭和35)年宮城県仙台市生まれの漫画家。代表作となる「ジョジョの奇妙な冒険」は1987(昭和62)年に集英社発行の「週刊少年ジャンプ」1・2合併号から連載がスタート。シリーズ累計発行部数が1億部以上を記録している。現在は第8部が「ウルトラジャンプ」で連載中。

 ジョスター家の血縁と因縁を第1部から第8部まで部ごとに主人公が代替わりしていくという独特の手法と世界観で描かれる。旅をしながら人の成長を描く作中では個性豊かなキャラクターや特徴的な言葉遣い、独特のポーズなどが登場。「ジョジョラー」と呼ばれる熱狂的なファンも多く、芸能人や著名人にもジョジョラーであることを公言する人が多いことで有名。

 誕生30周年を記念して2018(平成31)年8月から東京・国立新美術館で開催された同展。11月からは大阪文化館・天保山でも開催され、累計来場者数は26万人を超える。

 長崎県美術館には昭和初期に活躍した長崎出身の挿絵画家、椛島勝一さんの作品を収蔵している。椛島勝一の孫である椛島良介さんが「ジョジョの奇妙な冒険」の初代担当編集者であったことから長崎での開催が実現した。188点の展示原画をはじめ映像作品や関連資料約200点が展示される同展。肉筆原画をはじめとする多彩な展示物とともに、8つの展示エリアで作品の歩みと歴史をひもとく。特設ショップやビジュアルと一緒に記念写真が撮れるフォトスポットも用意される。会期中は「荒木飛呂彦先生セレクション 椛島勝一展」も同時開催する。

 記者会見に登場した荒木飛呂彦さんは「作品は歴史や数奇な運命などを大切にして描いている。会場に合わせてできるだけたくさんの作品をセレクトしている」と話す。人間が存在することの素晴らしさを描いているという作品について「主人公も悪役も関係なく一人一人に思いをはせながら描いている。本当に怖い人は武力的に強い人ではなく、先祖の因縁などを抱いて襲ってくる人。いい人も悪い人もいて世の営みがあることをすべての絵のテーマにしている」と笑顔を見せる。

 人物のほとんどを自信で描くという荒木さん。独自のポーズはローマの彫刻などからインスピレーションを受けているといい、近代美術の技法などを織り込んだ作品は芸術的にも高い評価を受ける。椛島勝一さんの作品についても触れ「冒険や航海などをテーマにした挿絵が特に好きで作品の背景など描き方の参考にしている」という。

 開館時間は10時~20時(最終入場は閉場30分前、最終日は18時まで)。入場料は、大人=1,600円、大学生=1,200円、高校生=800円、中学生以下無料。2月10日・25日、3月9日・23日は休館日。3月29日まで。

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