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「デジマ・ミュージック・ヘリテイジ」始動 平戸祐介さん迎え来春初イベント

「デジマ・ミュージック・ヘリテイジ」への意気込みを見せる中村さん(左)平戸さん(中央左)、プロデューサーの浦さん(中央右)と町田さん(右)

「デジマ・ミュージック・ヘリテイジ」への意気込みを見せる中村さん(左)平戸さん(中央左)、プロデューサーの浦さん(中央右)と町田さん(右)

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 長崎自動車(長崎市新地)を中心とする企業グループ「出島VOF」が12月1日、史跡「出島」(出島町)で行う音楽プロジェクト「デジマ・ミュージック・ヘリテイジ」を発表した。

記者発表の様子

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 今年4月から指定管理者制度を導入した出島。「長崎の観光活性化にいかに貢献するか」という観点から応募し、今後15年にわたって出島の管理・運営に当たることが決まった「出島VOF」は長崎自動車を中心とする企業グループ。長崎の魅力をさらに磨き上げるには、歴史的魅力の発信に加え、現在の魅力を発信するコンテンツが必要であることから、「音楽を通して人と人をつなげたい。そして持続可能な未来に貢献したい」と同プロジェクトを立ち上げた。

 長崎自動車経営企画本部で出島運営管理事務所長を務める中村哲さんは「文化芸術や地域活性化に強い思いを持っていた。長崎の宝でもある出島が指定管理制度導入となることを受け、『自分たちが活性化しないで誰がする』という島崎社長からの後押しもあって応募した」と応募の経緯を話す。

 プロジェクトは出島を舞台にジャズや「質の高い」音楽を核に、アート、ファッション、教育、食などを取り込み、将来的には長崎の文化の発信地となることを目指す。世界にも通用する場所である出島で開催するため、国内のみならず海外からも評価されるクオリティーが求められることから、ブルーノートとの契約もあり、自身のバンド「quasimode」を中心にジャズ・クロスオーバーなどジャンルにとらわれず日本、世界で活動してきた平戸祐介さんをエグゼクティブプロデューサーに迎える。中村さんは「長崎にも以前は多くのジャズバーが軒を連ねる文化的な土壌があった。音楽事業と文化事業を融合した発信をしていきたい」と笑顔を見せる。

 かねて「ふるさと長崎のために何か貢献したい」「長崎でジャズをしたい」と考えていたという平戸さん。プロジェクトのキーワードである「出島」はかつて世界への窓口だったことから日本へ近代化が進んだ土地として「融合(=クロスオーバー)」をテーマに音楽の融合、アートの融合、食の融合を通して出島から再発信を目指すという。

 「20代の頃、上の世代の方にピックアップしてもらったことで今がある。それを若い世代のミュージシャンにつなげていきたい」と話す平戸さん。「デビュー前から応援してくださった方が居る地元・長崎で活動できることをうれしく思う。長崎に対する恩返しになればうれしい」と笑顔を見せ、「ジャズに触れるワークショップやジャズを知る機会を設けることで『ジャズって楽しいんだ』ということを伝えながら、『出島からの再文明開化』を最大テーマに長崎の人たちに愛される事業に育てていきたい」と意気込む。「特に若い方々、クリエーターの方に『長崎から自分たちの音楽・アートを発信していける土壌がある』と感じてもらい、フジロックのように『デジマミュージックに出るために頑張りたい』と思ってもらえるようなステータス感のある音楽事業を目指したい」とも。

 プロジェクト発足に先立ち、ペーター・ファン・デル・フリート駐日オランダ王国大使は「音楽は人々の心を一つにし、垣根を取り払い、心を豊かにする。出島が200年以上もの間、日本に新しいコンセプトをもたらす場所を担ってきた役割が再認識されるものと確信している。出島とSDGs、音楽が一つになることは、この上ない喜び」とメッセージを寄せる。

 1回目のイベントは2021年3月21日・22日に開催する。20日=平戸祐介トリオジャズライブと沖野修也さんのDJイベント、21日=SDGs講演と西浦上小学校スウィングホープビッグバンドによるワークショップを予定。

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