ベーカリーカフェ「JUNE COFFEE(ジュンコーヒー)」(長崎市畦町)が7月29日、オープンする。
長崎市畦町の海が見える高台にオープンする同店。目の前には、伊王島から軍艦島までの長崎の海が広がる。店内では、フランス産の小麦を使うバゲットやクロワッサンをはじめ、約20種類のパンや焼き菓子が楽しめる。オーナーの西原千草さんは、大学卒業後に東京の料理学校で学んだ後、イギリスとフランスに1年ほど留学したという。
もともと自分の店を構えるのが目標だったという西原さん。当初は福岡などの都会で店を構えることも考えていたという。パン好きの友人が多く、県外の有名なパン屋まで行っているという話をよく聞いていたことや、同じタイミングで長崎市が人口流出ワースト1位になったこともあり、「よく考えると地元に有名な店がない。長崎から離れるのも悲しいし、地元の人が自慢できる店を自ら立ち上げて他県からも出向いてもらえるようにできたら」と、実家がある畦町への出店を決めた。
西原さんは「市内中心部への出店も考えたが、長崎駅から1時間ほどの場所にある地元にあえて店を構えるのも面白いのではないかと考えた」と振り返る。西原さんの父親が仕事で使っていた実家の隣地に店を建てられないかと3年ほど前からリサーチを始め、店づくりと同時にメニュー開発も進めオープンにこぎ着けた。店名のJUNE COFFEEは、西原さんの英語名・JUNE(ジュン)にちなむ。非日常的なおしゃれな空間を目指したといい、昨年の秋に開設したSNSでは今年3月ごろから店作りの様子を発信。「こんな近所におしゃれなベーカリー!」「オープンが楽しみ」などとオープンを心待ちにするコメントが寄せられたという。西原さんは 「子育て世代のお母さんなどがちょっと遠出して、友達と気晴らしできる空間にできれば」とほほ笑む。
オープンのめどが立ち、スタッフを募集したときには、「長崎を離れようか迷っている」「地元に働きたいと思える仕事がなかなかない」という応募者の悩みも聞いた西原さんは「雇用の受け皿としてだけでなく、店を一人前のパン職人やバリスタとしてスタッフが胸を張って働ける場にしたい」と笑顔を見せる。
店内には、看板商品のバゲットやクロワッサンのほか、ブリティッシュスタイルのスコーンや発祥の地とされるフランス・ボルドーまで出向いて作り方を学んだというカヌレなどが並ぶ。ニューヨークスタイルのピザやバゲットにハムとバターを挟んだジャンボンブール、シュー生地にプラリネクリームを絞ったパリ・ブレストなどもあり、西原さんが留学で学んだ味を提供する。
西原さんは「初めはカフェメニューがコーヒーとソフトドリンクだけになるが、将来はオリジナルの紅茶もそろえ長崎で本場の味を楽しんでもらえる店にしていきたい」と意気込む。
営業時間は11~18時。水曜定休。