長崎県水産加工振興祭水産製品品評会が11月29日、出島交流会館で行われた。
品評会は長崎県と長崎県水産加工振興協会が主催。今年で59回目。水産加工品の品質と製造技術の向上を目的に1963(昭和38)年から毎年開催している。
日数谷久美子さん(佐世保市)の「カエリ」と長崎海産(大村市)の「燻し いりこサクっ!ガーリック味」が最高賞となる農林水産大臣賞を受賞した。
今年は5部門に211品の出品があり、審査委員長1人と各部門5人の委員が採点。展示と試食を行い、1次審査で部門ごとに選んだ10品が2次審査に進んだ。
2次審査では、各部門の委員が採点。各部門1位の出品物の中から委員長および審査長の協議で最高賞2点を選んだ。
最高賞となる農林水産大臣賞を受賞したのは、日数谷久美子さん(佐世保市)の「カエリ」と長崎海産(大村市)の「燻(いぶ)し いりこサクっ!ガーリック味」。2品は農林水産祭に長崎県代表として出展することが決まっている。
「カエリ」はカタクチイワシを釜揚げし乾燥させた煮干しの一種。審査委員長を務めた長崎県水産部水産加工流通課の渡邉孝裕さんによると「煮干しは使う魚の質だけでなく、季節や状態に合わせての煮方や乾燥のさせ方で品質が大きく変わる」という。日数谷さんは昨年も部門最高賞となる水産庁長官賞を受けている。
「燻し いりこサクっ!」シリーズは長崎県産の煮干しを調味して薫製し、オーブンで加熱乾燥させた食品。渡邉さんは「煮干しは長崎ではありふれたもので、単に煮干しとして売り出すケースがほとんどだった。煮干しを使って『何か面白いものができないか』という取り組みはありそうでなかった」と振り返る。
「なつ香真鯛」や「黒糖とらふぐ」などの養殖魚を使う加工品や磯焼けの原因となる食害魚で食味の悪さなどから値が付かず問題となっていたイスズミを使った「そう介のメンチカツ」なども入賞。渡邉さんは「家庭では手間が掛からず食べやすい加工品が好まれる。敬遠されてきた食害魚を使った商品なども含め、加工に創意工夫を凝らすことで消費拡大につなげようという動きがここ数年評価されている」と話す。
出品された商品の一部はJR佐世保駅(佐世保市)と出島メッセ長崎(尾上町)で展示販売を行う。
展示販売日(催事)は、12月4日・5日(第23回長崎県水産加工まつりIN佐世保)、同10日~12日(第59回長崎県水産加工振興祭)。