土屋鞄製造所(東京都足立区)の「ランドセル出張店舗」出店が4月24日、出島メッセ長崎(長崎市尾上町)で行われる。
土屋鞄製作所は1965(昭和40)年、ランドセルメーカーとして創業。現在はランドセルのほか、「長く大切に、時を重ねるほど愛着の湧く鞄」とのコンセプトで大人向けのかばんや財布など革小物の製作や販売を手がける。
理想のランドセルを探す「ラン活」は3月から春の大型連休ごろにかけて最初のピークを迎えるとされている。独自の工房を持つメーカーがこだわりを持って作り上げるいわゆる「工房系ランドセル」は夏休み前には売り切れとなることも多い。同社ではランドセルは直営の16店舗で販売を行うほか、店舗のない地域でも毎年3月から5月にかけて出張店舗を行っている。
展示会には同社が手がける2023年度向けのランドセル9シリーズ63製品全てをそろえる。過去最多となる約50色のランドセルが並ぶ会場では同社スタッフだけでなく、ランドセルを作る職人と直接話しながらランドセルを選ぶことができる。
牛革を中心にコードバン(馬革)や人工皮革を使って作られているという同社のランドセル。昨今では学校で使う教科書やプリントがA4サイズ中心と以前に比べ大きくなっていることや、タブレット端末を使った学習が行われるなど子どもたちの荷物が増えている。昨年発売となった「RECO(レコ)」シリーズは素材の見直しによって軽量化と大容量化を実現。今年は新色3色を含む全8色をそろえる。
「個性に合わせて好きな色を選んでほしい」との思いから生まれた同モデルは、性別にとらわれない色味と型にこだわった「ジェンダーレス・ランドセル」。ここ10年ほど約60種類前後の製品を展開していた同社。もともと「男の子用は黒」といった子どもの性別に応じた色展開を行っていないことから、あえて装飾性を持たせず、中性的でモダンですっきりとした装いに仕上げているという。
同社広報担当者の高橋夏生さんは「特撮の戦隊ヒーローに憧れた男の子から『赤のランドセルがほしい』という声も聞いていたが、周囲の大人の価値観で断念することもあったことからジェンダーレスを強調したモデルにしている」と話す。
長崎会場ではバッグや小物など大人向けの革製品約70点を展示。製品の魅力や手入れ方法などについて専門スタッフが説明を行う。
「元気いっぱいの小学生が使うための丈夫な設計」を行っている同社の製品。6年間の無料保証がつき、子どもの取り扱い不良や不注意による破損でも貸し出しランドセルを用意していつでも修理を受け付ける。このほか卒業後も「思い出の品」としてミニランドセルやパスケースなどにリメークして手元に残しておけるサービスも手がける。
高橋さんは「6年間毎日使うランドセルは丈夫なだけでなく、体形が変化しても心地よく背負うことができることが重要。同じランドセルでも細かいパーツを改良しながら毎年バージョンアップを繰り返している。展示会場で実際に手にとってお気に入りのランドセルに出合ってほしい」と来場を呼びかける。
予約入場制。予約申し込みは同社ホームページで受け付ける。