長崎市魚の町に来年1月4日に開庁予定の長崎市役所新庁舎が12月22日、報道陣に公開された。
桜町にある現市庁舎は築60年以上が経過し、老朽化が進んでいることに加え耐震性にも問題があることから、長崎市が2011(平成23)年2月に建て替えを決定。2019年7月に着工した。新庁舎開庁に伴い、現在は市役所本館や別館のほか、商工会館など周辺ビル7か所にある所属部署を地上19階地下1階塔屋1階建ての新庁舎に集約。「つながりの拠点」や効率的な業務ができる機能的で時代の変化にも対応できる庁舎を目指す。
庁舎1階には身近な手続きや相談窓口を集約。市民の負担軽減のためマイナンバーカードを活用した総合窓口システムを導入し、職員が聞き取った内容を元に署名だけで手続きができるようにした。エントランス横には情報発信コーナーを設置。長崎の自慢を「物産品」「祭事」など8つのブースに分けて紹介する「えっへん!NAGASAKI」や市民が意外と知らない長崎発祥のものなどを回転式クリップボードで紹介する「長崎市のいちばん 集めました」のコーナーのほか、待合広場に隣接して情報発信コーナー「新旬 NAGASAKI」も設けた。
低層階2階には子育て関連機能を集約したほか、3階は税や保険のなどのフロア、4階は生活保護や道路など専門的な手続きを行うフロアを配置。3階にはガラス張りの明るい空間で食事を楽しめる食堂や市の特産品やグッズも取り扱う売店も設けた。
5階・6階には議場と傍聴席を設置。現庁舎に採用されている全国的にも珍しいと言われる馬蹄(ばてい)形の配置やデザインを踏襲しつつ、傍聴席の座面を広げ、車いす利用者のためのスペースや子ども連れでも気兼ねなく傍聴できる個室を設けるなど利便性向上を図った。
8階にある第1応接室は「ながさきの積み重ねてきた、まちの歴史を感じるおもてなしの空間」をコンセプトに東西の壁面に木レンガの積層を設置。東側は長崎、西側は世界の重要な歴史的な出来事の年号と石やレンガ、鉄などその次代の礎を築いた材料を木レンガの積層の中にちりばめることで表現。天井は長崎市と世界の交流都市とのつながりを表現した。
第2応接室は「ながさきの四季と人々の営みを感じるおもてなしの空間」として長崎ガラスで表現した長崎港などを表現した空間となっている。
19階には無料で利用できる展望フロアを設置。長崎港や女神大橋まで見渡すことができる展望スペースでは長崎の開港から現代までの成り立ちや歴史を紹介する約7分の映像も流す。このほか新たな夜景の視点場として芝生スペースを設置した屋上広場や市民の活動の展示ができるギャラリーウオールも用意した。
展望フロアの利用可能時間は8時15分~21時30分。混雑緩和のため2月上旬までは予約制。