旧香港上海銀行長崎支店記念館(長崎市松が枝町)で4月1日、ライトアップが始まった。
開港して間もない幕末期の長崎に代理店を置き、1892(明治25)年に長崎支店を開設したイギリスの香港上海銀行が1904(明治37)年に新社屋として竣工した同施設。1931(昭和6)年に閉鎖後は警察署や歴史民俗資料館として親しまれてきた。
「建築界の異才」と呼ばれた下田菊太郎が提唱した洋風建築の上に日本式の瓦屋根を載せる帝冠併合式を取り入れた建物はレンガ造(一部石造)3階建てで、一部に五島石を使ったネオクラシシズム様式を採用。1階部分はアーチが連続するアーケード。2、3階部分はコリント様式の円柱が施されており、その上に三角破風の屋根を載せている。
老朽化に伴い取り壊しも検討されていたが保存を望む市民活動が功を奏し、1991(平成3)年から1995(平成7)年にかけて建設当初の姿に復元。翌年10月に「長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館」として開館。2014(平成26)年には「長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」を併設した施設としてリニューアルしていた。
ライトアップは長崎市景観推進室が2017(平成29)年から取り組む「中・近景の景観づくり」の一環。夜のまち歩きを楽しむために地域のランドマーク施設をライトアップする整備などを進めており、昨年度は東山手地区で同施設と長崎教会を整備した。
ライトアップの時間は日没~22時。