長崎県内で全編ロケが行われた映画「こん、こん。」が6月9日、県内で先行公開される。
佐世保市出身の横尾初喜監督にとって初挑戦となる恋愛映画。何事も「フツー」な毎日を送る大学生・堀内賢星と「好き」がたくさんある同級生・七瀬宇海が長崎を舞台に描く、対極的な2人の「恋」の物語。堀内賢星役は遠藤健慎さん、七瀬宇海役は長崎を中心に活躍する地元出身の女優・塩田みうさんが務める。
横尾監督は昨年、オール長崎での作品作りに向けて「BLUE.MOUNTAIN」(大村市)を設立。同じく長崎県内で全編ロケが行われた映画「こはく」(2019)の撮影を通して「長崎全体が祭りのように盛り上がった。故郷への恩返しになるのではと感じ、長崎で作品作りを続けることを決めた」と振り返る。
スタッフ、キャスト共に、長崎県在住・出身者にこだわった同作。ラブコメ映画「縄文人がやってくる」という仮タイトルの下、昨年7月に大村市で行われたオーディションには県内外から88人が参加。主人公の友人や友人の恋人、アルバイト先の店長など映画を彩る10~60代の個性豊かな県民キャストが選ばれていた。コロナ禍の中、7月29日に「フラワーメイト」(長崎市若葉町)でクランクインした撮影はその後、大村市に舞台を移したが、8月に入り体調不良者が出たため中断。9月7日に撮影を再開し、14日にクランクアップを迎えていた。
先行公開に先立って大村市や佐世保市で行われた試写会では「若者に刺さる作品を目指していたが、上映を終えると中高年の方も含め多くの人が涙している姿に胸を打たれた」と話す横尾監督。「まずは県内上映を成功させ、秋には全国を予定している。海外での公開も目指していきたい」と意気込む。
前売り券は1,500円。ユナイテッド・シネマ長崎(長崎市尾上町)などで扱う。