市民団体「team長崎シー・クリーン」が第28回コカ・コーラ環境教育賞で中学生の活動普及部門最優秀賞に選ばれたことを受け、6月12日、長崎市役所に鈴木史朗市長を表敬訪問した。
「team長崎シー・クリーン」は長崎大学職員のデミー博士こと出水享さんが2021年に立ち上げた団体。2、3カ月に1回、長崎市の野母崎地区を中心に清掃活動を行ってきた。出水さんの長男の琉(りゅう)さんは海ごみ問題に関心を持っていたことから海岸清掃などの活動に積極的に参加していた。
コカ・コーラ教育・環境財団が環境分野、特に地球環境・環境資源の領域の向上に寄与する取り組みを募集し、優秀な団体の活動や企画研究を顕彰する「第28回コカ・コーラ環境教育賞」に琉さんは団体の代表として応募。今年3月14日に行われた最終選考でプレゼンテーションを行い、同賞を受けていた。
表敬訪問では、琉さんが団体のこれまでの活動の経緯や内容を紹介するプレゼンテーションを行った。「1人でできることは限られるが、仲間づくりを通じて地元の漁師や自治会関係者だけでなく、海上保安庁の職員など幅広く人を巻き込んだことで活動の輪が大きくなった」と話す琉さん。同団体の活動がきっかけで、熊本県八代市で活動する団体とつながり、今年7月15日・16日に長崎県庁と野母崎一帯で「SDGs 未来キャンプin長崎」の開催につながったことも紹介した。
野母崎を中心に活動する同団体。野母崎は長崎市内中心部から距離があり、交通の便も悪いことから、琉さんは「活動に参加したくてもできない人がまだたくさんいる」と現状を説明。ボランティア参加者に向けた交通費助成など「足踏みしている人を制度面で後押ししてほしい」と提案する一幕もあった。
海上保安庁の第五管区海上保安本部長を歴任していたこともあり、海ごみ問題にも見識のある鈴木市長は「若い世代の環境問題への認知を高める取り組み。市としてもできることがあればバックアップしたい」と活動をねぎらった。