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中島川でまち歩きイベント 長崎大水害の痕跡や長崎の歴史に触れる

長崎大水害の石碑の前で説明する出水さん

長崎大水害の石碑の前で説明する出水さん

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 長崎大水害の痕跡や長崎の歴史に触れるイベント「ブラデミー」が7月23日、中島川流域で行われた。

集合写真

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 長崎大学職員のデミー博士こと出水享さんが中心となって企画した同イベント。出水さんはインフラ維持管理の技術者養成に携わりながら、子どもに向けて土木の仕事や防災の役割を知ってもらうイベントを開いてきた。

 同様のイベントは昨年に続き2度目となる今回。長崎市と諫早市から参加した高校生15人を中心に大人から子どもまで約25人が参加し、出島表門橋から中島川沿いに西山ダム目指した。同日は長崎大水害から41年目に当たることから、水害の痕跡を探すのと同時に、多角的な視野から学んでほしいと、長崎の歴史や文化、防災、環境などの専門家がサプライズで登場し、約4キロを巡った。

 出島では「まちぶらりスト」として活動する「マリー」こと岡村真理さんが登場。「あっちは〇〇、こっちは〇〇」と題して江戸時代は限られた人しか出入りが許されなかった出島の歴史をひも解いた。

 中央橋にある長崎大水害の石碑では出水さんが大水害について説明。冠水水位が記されていることを説明した。築町と浜町を結ぶ銕(くろがね)橋では「ミスター長崎くんち・GENTA」こと千々岩源大さんが今秋、4年ぶりに開催される長崎くんちの歴史や見どころについて説明。長崎くんちのかけ声「モッテコーイ」で場を盛り上げた。

 眼鏡橋周辺では橋の両側にあるバイパス水路を見学。出水さんが水害後に周辺にある石橋を残して景観を守りつつ河川改修を行った土木技術について話した。長崎放送アナウンサーの河野智樹さんは「あの時、何が起きたのか?」をテーマに水害の記録を閲覧できるサイトを案内。長崎市の尾崎さんらからはハザードマップの使い方について説明があった。

 中島川をさらにさかのぼった参加者ら。中島川上流部の石橋は高い位置に架かっていることに気づいた。出水さんから「洪水で川をふさぎにくいよう水害後の復旧時に橋を高く積み直している」と説明を受けると驚きの声が上がった。

 中島川支川の西山川との分岐付近では長崎県環境アドバイザーの中原泰彦さんが川で実際に捕まえた生物を見せながら中島川の生態系について解説。「生物の多様性は人類の将来の食の多様性に直結する」と説明し、多種多様な生き物を未来に残す意味を説いた。

 伊勢町では長崎大学教育学部の吉良史明准教授と合流。諏訪神社や長崎くんちの説明を受けた後、全員で境内に移動して神社に参拝した。諏訪神社で休憩中に黙とうサイレンの放送があり、全員で長崎大水害の犠牲者へ黙とうを捧げた。

 その後、バスで西山ダムへ向かった。西山ダムでは長崎振興局の向井一輝さんと岩永正幸さんが出迎えた。向井さんは西山ダムが1904(明治37)年に日本で3番目に古いコンクリート造水道ダムとして造られた歴史的にも価値のある堤体を残しつつ再開発し、洪水調整と上水道用の多目的ダムとして1992(平成4)年に完成したことを説明。参加者らは普段は入ることができないダム内部にある保守用の通路を見学した。バブル期に建設されたことから施設にはスペイン製のステンドグラスが使われるなど、豪華な造りで参加者からは驚きの声も上がった。

 ダムの新旧堤体を歩き、12時過ぎにゴールの管理事務所に到着。参加者からは「普段は気にとめなかったダムなどの役割を知るきっかけになった」などの声が上がった。出水さんは「さまざまな専門家の話を通して土木だけでなく多角的に学んでもらう場を目指した。それぞれの専門家の思いは十分伝わったのでは。子どもたちが学びとして将来につなげてもらえれば」と笑顔を見せる。

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