子どもたちが平和へのメッセージを描いた「キッズゲルニカ in 長崎」の作品が8月6日、爆心地公園(長崎市松山町)横を流れる下の川に展示された。
キッズゲルニカは内戦中のスペイン北部の都市・ゲルニカで1937(昭和12)年、ドイツ軍が戦史上初の本格的な都市無差別爆撃を行った惨状をスペインの画家パブロ・ピカソが描き、戦争を非難した壁画「ゲルニカ」に倣い、同作と同じ縦3.5メートル、横7.8メートルのキャンバスに子どもたちが平和へのメッセージを描く国際的な取り組み。長崎では山下昭子さんが中心となり活動を行ってきた。17年前から市内の子どもたちに絵を描いてもらい、十数点の作品を毎年8月に下の川で1カ月間、展示している。
今年は長崎市内から市立東中学校(立山5)や学習アトリエCOR(時津町浦郷)、長崎市内の学童クラブなどで制作した5作品を展示。このほか、米インディアナポリス市の市立CFIスクールやウクライナブチャ市の子ども芸術学校の生徒らの作品をはじめ全11作品を並べる。
長崎市出身でアイルランドに留学していた田中音色さんが、これまで学んできたことや託された思いをアイルランドの子どもたちに届けるとともに一緒に作品を描き、故郷の長崎に運んで展示することで、「より多くの人にキッズゲルニカを知ってもらい、平和への思いを共有したい」とクラウドファンディングで支援を募り、アイルランドのアレクサンドラカレッジでウクライナや中国、ヨーロッパ各国の留学生らとともに完成させた作品も加わった。
これまでに子どもたちと83点の作品を制作してきた山下さん。「日本各地から爆心地公園を訪れる人だけでなく、多くの外国人旅行者にも作品を見に来てもらっている。日本、そして世界の子どもたちが仲良くつながり、平和の大切さを世界に訴える活動を共有していきたい」と話し、「ぜひ多くの人に見に来てもらいたい」と呼びかける。
展示は8月31日まで。