「タコとエビのハタづくり講座」が9月10日、野母崎文化センター(長崎市野母町)で開催された。
シーボルト来日200周年イベントとして野母崎で行われる6月の「野母崎たこ祭り」と、9月に開催中の「のもざき伊勢エビ祭り」に合わせたタイアップイベントとして開催している「タコとエビとシーボルト」の一環。特産品のタコと長崎ハタの「タコ」をかけたハタづくりイベントは5月に続き2回目の開催となる。
長崎では凧(たこ)のことを「ハタ」と呼び、他の地方と異なって高く揚げるのではなく、他のハタとかけ合って相手のハタの糸を切るハタ合戦が行われる。4月から5月にかけて長崎市周辺の山々では毎年、ハタ揚げ大会が行われている。長崎ハタは約50種類が伝統的な図柄として作られており伝統工芸品としても長い歴史を持つ。出産祝いや商売繁盛を願う縁起物として相手にちなんだ文字や絵を描き入れた贈答用としても親しまれている。
イベントには長崎ハタの専門店「大守屋」(古川町)店主の大久保学さんが講師として作り方を指導。大久保さんは趣味で十数年続けていたハタ作りが高じて2010(平成22)年に同店を開業。大久保さんが手がける長崎ハタの販売のほか、ハタづくり体験教室なども行っている。
当日は参加した子どもたちが順次会場を訪れ、紙にタコやエビのほか、思い思いの絵を描いてハタの図柄を制作。大久保さんが手助けしながら十字に骨組みを貼り付け、たこ糸を結んでオリジナルのハタを完成させた。会場では「楽しい」という声や参加した家族の笑い声が聞かれた。
会場の外にある長崎のもざき恐竜パークの園内では出来上がったハタを揚げて遊ぶ子どもたちの姿が見られ、大久保さんも手が空いたタイミングを見計らって子どもたちにハタ揚げを教える一幕もあった。