NPO「長崎の風」のメンバー4人が4月30日、霧島神宮(鹿児島県霧島市)に向け徒歩と船で実際に坂本龍馬が残した足跡をたどる「新・薩長(さつなが)同盟ウォーク」に出発した。
霧島神宮を徒歩で目指すのはNPO「長崎の風」理事長の黒田雄彦さん(65)、同理事の山本秀喜さん(58)、増田泰之さん(53)、会員の中野強さん(62)の4人。同会は理事長自らも「さるくガイド」を務めるなど、長崎さるく観光支援を中心に活動を行っている団体。同イベントは鹿児島(薩摩)と長崎との意外に深いつながりを再評価し、現代の交流促進にも役立てようと黒田さんらが企画した。薩摩と長崎との同盟という意味で「さつなが」と読む。
4人は亀山社中跡で出発式を行った後、「お見送りさるく」の参加者約20人とともに晧台寺(こうたいじ・寺町)の近藤長次郎の墓や薩摩藩御用商人・服部家の墓前に出発の報告をし、4月にリニューアルオープンしたばかりの「まちなか龍馬館」(浜町)などを訪れながら最初の出航地・茂木港(茂木町)まで徒歩で移動。茂木港から熊本県天草市の富岡港へ向けフェリーで出航した。
「5月は長崎龍馬の月。昨年の『龍馬伝』の効果を一過性で終わらせないため、龍馬ゆかりの地の観光ガイドとして、龍馬がつないだ鹿児島を目指しながら、現代の交流にも役立てようと思い立った」と話す黒田さんには、田上富久長崎市長から鹿児島市長と霧島市長へ宛てた親書が託された。
富岡港に到着したメンバーは下田温泉で1泊。翌5月1日は霧雨と濃霧の中、約27キロを歩きながら崎津教会に立ち寄ったり、沿道でミニトマトの差し入れを受けるなどした。2日は約31キロを歩き、牛深港から蔵之元港へフェリーで渡って鹿児島入りを果たした。3日は約20キロを踏破。薩摩街道保存会の丸目直樹会長の出迎えを受け、地元の協力者との交流を深めながら阿久根市まで歩き、同市内で1泊する。
長崎国際観光コンベンション協会・さるく事業課主任の松尾聡子さんは、「今回のイベントは薩摩街道保存会や薩摩龍馬会など、たくさんの鹿児島の人たちの協力がなければ絶対にできなかった。これを機に鹿児島の人たちとの交流が深まればうれしい」と話す。
この後メンバーは、薩摩川内市、いちき串木野市を通って6日、鹿児島市役所に森博幸鹿児島市長を表敬訪問。田上長崎市長からの親書を手渡す。ゴールの霧島神宮到着は8日14時頃の予定。同神宮で前田終止霧島市長に親書を手渡す。
行程の情報はインターネットの特設掲示板で公開している。